サーバーやネットワークといったITインフラを構築したり運用したりするのに欠かせない「インフラエンジニア」。普段は表舞台に出ないためあまり目立つことはありませんが、デジタル社会においてその役割の大きさは絶大です。
こちらの記事でインフラエンジニアの仕事内容、人気の理由、将来性について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
すでにインフラエンジニアとして仕事をしながらも、今後はフリーランスになってさらに自身の腕を試してみたいという方も多いのではないでしょうか。しかし、いざ独立するとなるとその方法や収入が気になるとか、本当に自分で通用するのだろうかとった不安も多いでしょう。
そこで今回は、インフラエンジニアはフリーランスになれるのか、方法や案件内容、メリット・デメリットについて解説します。必要なスキルや案件獲得方法についても紹介するので、ぜひ参考にしてください。
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インフラエンジニアはフリーランスになれる?
インフラエンジニアがフリーランスとして活躍することは十分に可能です。ITインフラの設計や構築、運用といった業務は極めて専門性が高く、今後もデジタル需要が高まる世の中にあってその存在価値がますます増加すると予想されるからです。
ただし、インフラエンジニアがフリーランスになるのは、決して容易とはいえません。まずはどこかの企業に就職して実務経験を積み、できるだけ多くの案件に携わることが大切です。
さらに可能ならば、勤務しながら副業でスキルを磨き、確実に人脈を広げておくとよいでしょう。転職で多くの企業での実務経験を積んでいくことも効果的です。
複数の方面で名前を覚えてもらい、「この人なら〇〇の業務が任せられる」と強く認識されれば、そこから将来の案件につながる可能性があるためです。そして少なくとも3年以上の実務経験を経てからフリーランスに転身するのがよいでしょう。
こちらの記事でインフラエンジニアを含めて、フリーランスで働くエンジニアの年収相場、仕事スタイルについて詳しく解説していますので併せてご覧ください。
フリーランスインフラエンジニアの案件内容
フリーランスインフラエンジニアが獲得可能な案件は、以下の通りです。
- インフラやデータベースなどの設計・構築
- インフラやデータベースなどの運用・保守
- クラウド移行
サーバーやネットワーク回線、データベースを設計、構築し、さらにそれらを運用、保守していくというのは、企業に勤めている場合とほぼ変わりません。そのため、在宅というよりはクライアント企業に常駐して仕事をする機会が少なくないでしょう。
ただし最近では、オンプレミスではなくクラウドで運用している企業が増加傾向にあるので、在宅でこなせる案件も確実に増えています。さらにオンプレミスからクラウドへ移行する企業も増える一方のため、その移行業務の案件数も右肩上がりで伸びているのが実情です。
こちらの記事でこれからますますニーズが増えるクラウド系エンジニアであるAWSエンジニアについて詳しく解説していますので併せてご覧ください。
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フリーランスインフラエンジニアの4つのメリット
フリーランスインフラエンジニアになるメリットは、以下の4つです。
- 年収アップが期待できる
- 仕事が選べる
- 在宅で働ける
- 様々な企業に出入りできる
それぞれについて詳しく解説しましょう。
年収アップが期待できる
フリーランスインフラエンジニアになると、会社員時代よりも収入が増えると期待できます。
弊社に登録されているフリーランスのインフラエンジニア募集案件の平均的な月あたり報酬平均は65万円程度です。年収相当では780万円となります。
一方、厚生労働省の職業情報提供サイトjobtag(日本版O-NE)によると、インフラエンジニアの平均年収は約660万円です。よって、フリーランスとして成功すれば会社員時代よりも大幅に年収がアップする可能性があるでしょう。
もちろん、フリーランスでも安定して仕事を請け負えることが前提となります。ただし、インフラエンジニアはプログラマーなど開発系のエンジニアよりも長期に渡る契約をオファーされることが少なくありません。
注意点として、フリーランスは、社会保険料や税金の負担が会社員よりも多くなることもあるので計算に入れる必要があります。
こちらの記事でインフラエンジニアの年代別年収、年収を上げる方法について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
仕事が選べる
フリーランスエンジニアになると、仕事の条件や内容をある程度自分で選ぶことができます。会社員であれば、組織内での立場が優先されるので上司やクライアントからの要請にしたがって意思に関係なく業務を遂行しなければなりません。
その点、フリーランスの方が、得意分野に特化した業務や将来的に充実させたい方向性の案件を重点的に受注するといった調整が可能です。会社員と比べると他にだれも頼れないため責任や負担は大きくなりますが、やり甲斐やモチベーションは確実に増すと期待できるでしょう。
在宅で働ける
会社員時代に比べると在宅でできる仕事が増える可能性も十分にあります。オンラインでの報告や納品で事足りるケースもあるので、週末や早朝・夜間をはじめ生活リズムに合わせて隙間時間を有効活用しやすくなるでしょう。
すると子育てに参加したり、家族と過ごす時間や趣味にあてる時間を増やしたりすることができ、ワークライフバランスの充実につながります。
様々な企業に出入りできる
フリーランスエンジニアになると、さまざまな企業に出入りできる可能性が広がります。会社員であれば自社内での業務が多かったり、ある程度きまった企業への出入りに限定されることがありがちです。
その点、傾向の異なる企業に出入りできる経験はスキルアップや実績を増やすのにも有効でしょう。
フリーランスインフラエンジニアに必要な6つのスキル
続いてフリーランスインフラエンジニアに必要なスキルについて見ていきましょう。フリーランスインフラエンジニアとして、安定して高額案件を契約するために、以下の5つのスキルが必要です。
- 豊富な実務経験
- インフラ関連スキル
- 開発言語経験
- クラウド関連スキル
- コミュニケーション力
- セルフマネジメント能力
豊富な実務経験
フリーランスインフラエンジニアに強く求められるのは、技術的な即戦力です。クライアントからの依頼が来れば、その要点を即座に理解して業務を開始する機動力が必要です。
そのためには、実務経験が豊富でなくてはなりません。少なくとも3年以上は企業で働き、インフラエンジニアのイロハから応用にいたるまで、イレギュラー対応も含めて多くの経験を積んでおくと、それに比例して稼ぐ力が身に付くでしょう。
インフラ関連スキル
サーバーやネットワーク、データベースといったインフラ関連のスキルは必須となります。もちろん、多くの企業担当者がポートフォリオでの実務年数記載を重視しますが、同時に年数が多ければスキルが高いとは言えないことにも気づいています。そのため、以下のような資格を取得しておくと客観的に競合応募者に差をつけられて有利でしょう。
- 高度情報処理技術者・・・難易度が高いが、かなり高度なITスキルと記述の証明となる
- シスコ技術認定資格・・・ネットワークエンジニアのスキル証明になる
- データベーススペシャリスト・・・データベース業務全般が網羅できる難易度の高い資格
開発言語経験
インフラの設計や構築に必要な以下の言語も習得しておくと仕事の幅が広がります。
- BAT・・・主としてWindowsOSで利用されるスクリプト言語
- TTL・・・Windowsで稼働するオープンソースのターミナルエミュレータソフト
- Bash・・・Unix系オペレーティングシステムで使われるシェルプログラム
さらに、仕事の幅を広げるためにもPythonやShell、Rubyといったプログラム言語の習得に注力するのがおすすめです。
クラウド関連スキル
AWSやGCP、Azureなどに代表されるクラウドサービスが、すさまじい勢いで普及しています。従来はオンプレミスで運用していた企業も、続々とクラウド移行し始めているので、インフラエンジニアとして独立するならクラウド関連スキルもしっかりと習得しておきましょう。
さまざまなパターンのクラウドサーバーが扱えると有利ですし、圧倒的シェアを誇るAWS、GCP、Azureのクラウドサービスについての実務や運用、また仮想化やインフラ設計についても網羅しておくに越したことはありません。
コミュニケーション力
インフラは企業のIT戦略の心臓部ともいえる重要な役割を果たします。よってクライアントが何を重視し、どのようなイメージで運用・保守したいかといったニーズを最大限くみ取ることが大切でしょう。
また、自身で継続して優良な案件を獲得するにも、確かなITスキルに加えて高いコミュニケーション力が求められるのです。
セルフマネジメント能力
フリーランスになると、さまざまな業務をすべて自身で行う必要があります。
- 案件獲得
- インフラのトラブル発生時などへの緊急対応
- 事業計画作成
- 納期の遵守
- クライアントへの報連相
- 経理・納税業務
- 健康管理
人に頼らず自己を厳しく律する力がなければ、フリーランスインフラエンジニアとして長年にわたり仕事を継続していくのは困難でしょう。
フリーランスインフラエンジニア3つのデメリット
フリーランスインフラエンジニアのデメリットには、以下のようなものが考えられます。
- 報酬が不安定になる
- 社会的信用が低下する
- 雑務に追われる
報酬が不安定になる
フリーランスインフラエンジニアは、会社員のように毎月一定の給与が保障されているわけではありません。極端ですが、独立した時点で契約先がゼロであれば、たちまち無収入となります。
もちろん案件が獲得できれば報酬はすべて自身のものとなりますが、継続して仕事が入るとは限りません。ボーナスもないため、独立前にある程度の貯蓄をしておくといった対策を考えなければ、経済的に不安定な状態が慢性化する恐れがあるでしょう。
現状の仕事環境に満足できないことだけがフリーランスを目指す理由であれば、転職によってより良い条件で働ける職場を探すことも検討しましょう。
こちらの記事でインフラエンジニアの転職事情、転職に成功する方法について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
社会的信用が低下する
収入が不安定なため、社会的な信用も低下する可能性があります。具体的には、ローンの審査が通りにくくなったり、クレジットカードが作れなかったりといったリスクがあるでしょう。
雑務に追われる
フリーランスインフラエンジニアは、仕事にだけ集中していたらそれで良いというわけにはいきません。経理業務や確定申告など、自分でこなさなければいけない雑務が思いのほか多いので、とくに慣れるまでは面倒に感じたり苦労が伴ったりする可能性があるでしょう。
フリーランインフランジニア案件の獲得方法
フリーランスインフラエンジニアの案件獲得の方法を紹介しましょう。
エージェント
もっともおすすめするのが、IT系のフリーランス専門エージェントです。アカウントを登録すると、登録企業から寄せられる多くの案件の中から好きな仕事をチョイスできます。
相手との中で条件が合えば契約に進み、仕事を開始します。報酬から手数料が差し引かれますが、案件の質の良さや報酬額の高さを考えると十分にメリットはあるでしょう。
仕事ぶりが評価されると継続発注もあり得るので、良いクライアントに恵まれた場合は非常に安心です。
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クラウドソーシング
クラウドソーシングもエージェントと同じく成約した場合は報酬から手数料が差し引かれますが、ネット経由で一度にまとまった数の案件を閲覧できるため仕事が見つけやすいでしょう。
ただ、単価が安いものも多いので、クラウドソーシングだけでフリーランスとしてやっていくのは無理があります。他の方法と並行したり、仕事が取れにくい時の繋ぎとして利用したりするのもよいでしょう。
会社時代の人脈を活用する
会社に勤務していたときなどに培った人脈を活用する方法もあります。実績をよく理解してくれている相手であれば信頼もあるので仕事を回してもらいやすくなるかもしれません。またそういった人たちの紹介でも、仕事を融通してもらえることがあるでしょう。
また、会社員時代から、本業とかかわりが深い副業案件を積極的に行うことによってクライアントや他のエンジニアとの人脈を築くのもいい方法です。
こちらの記事でインフラエンジニアの副業について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
SNSやブログ
SNSやブログで自身の実績や経歴、ポートフォリオなどを発信するやり方もあります。真摯かつ丁寧にコンテンツを作り込めば、企業の担当者の目に留まって直接オファーが来ることも期待できるでしょう。
まとめ
インフラエンジニアがフリーランスになることは十分に可能です。サーバーやネットワークの設計や構築、運用・保守、さらにクラウド移行やデータベース案件など、さまざまな仕事が受注できるでしょう。
ただし独立して息長く活躍しようと思えば、しっかりと実務経験を積んで必要なスキルを身につけることが大切です。本記事に目を通して具体的なイメージが抱けるようなら、フリーランスインフラエンジニアを目指して準備を始めてみてはいかがでしょうか。
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