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Kerasとは?なぜおすすめ?Tensorflowとの違い・ディープラーニング実装例を詳しく解説!

Kerasは、ディープラーニングモデルを構築するためのライブラリです。Kerasを活用することで、ディープラーニングモデルを素早く実装できるようになります。

Kerasはリアルタイムのデータ拡張やモデルの保存と読み込み、転移学習など高度な機能も提供しています。それでも簡単に使用できるため、機械学習の初心者から専門家まで幅広い人々に利用されています。

人気も汎用性も高い、しかもますます伸びるであろうディープラーニング分野での効果的なツールKerasをこれから本腰を入れて学び始めるエンジニアの方も多いのではないでしょうか?

本記事では、ディープラーニングの開発に大いに役立つ「Keras」とTensorflowの違いやKerasでできること、また業界で人気の理由についても詳しく掘り下げます。先端テクノロジー領域での転職を考えている方に参考になるに違いありません。

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目次

Kerasとは?

Kerasとは?

Kerasは、Tensorflowや​​Theanoといった機械学習ライブラリの上で実行可能なディープラーニング(ニューラルネットワーク)用ライブラリです。Pythonで書かれているのが特徴になります。

Kerasは元Googleのエンジニアによって開発されました。2015年に初版がリリースされて以来、Google、Apple、Amazon、NVIDIAといったそうそうたる企業が採用してきました。

AI開発現場では、ディープラーニングを使ったデータ分析や、その分析結果をもとにクライアントが必要とする実用的なソリューションを提供することが強く求められます。その一角として、Kerasは非常に有効といえるでしょう。

KerasとTensorflowの違い

Kerasは、主にTensorflowをバックエンドとして動作します。Tensorflowは、機械学習から深層学習(ディープラーニング)まで活用できる人気のライブラリです。現在ではTensorflowをインストールしてKerasを使うのが一般的です。

Kerasは2017年にTensorflowに組み込まれました。簡単でマスターしやすくCPUとGPU上でシームレスな動作が可能で、実用性にも富んでいるため、国内での人気は、1位のTensorflowに近づきつつあります。

Kerasを使うことで、Tensorflow単体よりも簡単なコードで素早くディープラーニングモデル、特にニューラルネットワークモデルを実装できます。ドキュメントが日本語化されている点も、国内エンジニアにとっては見逃せません。

Tensorflowの開発者はGoogleで、ディープラーニングのライブラリの中ではユースケースが豊富で、もっとも代表的といってよいでしょう。Kerasに比べるとドキュメントが多く、大規模な数値計算が得意で多次元データ構造を流れる(=flow)ように処理するのが特徴です。

顔認証、画像検索、音声認識、自然言語処理に力を発揮する意味ではKerasに似ているといえます。

別記事で、TensorFlowの使用方法、仕組みについて特集していますので併せてご覧ください。

Tensorflowが、Python、Go、Java、C、C++に対応しているのに対して、Kerasのプログラミング言語は基本的にPythonのみです。公式ドキュメントもPythonのコード例を提供しています。

こちらで、PythonがWeb3で重要な理由について特集していますので併せてご覧ください。

Kerasでできること6選

Kerasでできること

Kerasでできることについて、具体的に解説しましょう。

  • 画像認識
  • 時系列データの予測
  • 文章作成
  • 音声認識
  • 機械翻訳
  • botの作成

それぞれのポイントについて説明します。

画像認識

Kerasの大きな特徴は、CNN(畳み込みニューラルネットワーク)とRNN(再帰型ニューラルネットワーク)の両者を組み合わせたアルゴリズムをサポートしている点です。CNNでできることの筆頭といえば「画像認識」です。大量の画像データを学習して、特定の物体や人物、物質などを識別する処理機能のことです。

Kerasは、いくつかの有名なデータセットをプログラムに読み込む機能が装備されています。そのため、大量の学習データを用意する必要もなく、驚くほど直感的なコードで画像認識モデルを作成できます。

画像認識の具体例としては以下が挙げられます。

スクロールできます
機能具体例
商品識別レジに持ち込まれトレイに乗った商品の種類を識別し合計金額を瞬時に算出する
顔認証空港や駅、大規模商業施設やスポーツイベントなどで、大量の人の中から特定の人物を認識し、入退場の確認をしたり入場を制限
病巣の発見ドクターの目では見落とすような微細な細胞の変化、病気の兆候などを発見
食品や飲料の成分チェック表示された材料が食品や飲料に含有されているかを確認
生鮮食品の目利き肉や魚、野菜や果物などの旨みを見極めて高品質な料理や食材の提供に活用

上記はごく一例にすぎません。物流倉庫や製造工場における自動ピッキングや検品においても、画像認識技術は大いに役立っています。

時系列データの予測

Kerasは、RNN(再帰型ニューラルネットワーク)を用いた時系列データ予測も得意とするところです。AIの機能は「分類」と「回帰」に大別できます。先ほどの画像認識が分類の代表で、時系列データ予測は回帰になります。

RNNは過去の計算結果を記憶できるため、複数または単数の説明変数から目的変数を導き出す機械学習のアルゴリズム開発にうってつけです。時系列データ予測のみならず、自然言語処理にも大きな力を発揮します。

例えば、スーパーにおいて需要予測を行なったうえでの自動発注が可能となります。来客数や売れ筋商品(目的変数)は、以下のような様々な要素(説明変数)によって大きく変動します。

  • 曜日や時間帯
  • 季節
  • 気温
  • 戸建てや集合住宅の件数や割合
  • 周辺でのイベント

こういった複数の可変要素に関する大量のデータをもとに最適な数量を予測するのです。同じ原理で、株価予測、飛行機や電車、ホテルなどの利用者数予測などにも活用されます。

ちなみに、RNNは時系列データ予測のみならず、自然言語処理にも大きな力を発揮します。

文章作成

Kerasの時系列データ予測は、LSTM(長・短期記憶)を活用する文章作成にも長けています。LSTMは、RNNよりさらに長期的な時系列関係を学習可能です。

RNNでも、大量のサンプルデータを読み込ませれば、ある単語に対して、そのすぐ後に続く比較的短い言語やセンテンスの予測はできます。しかし長期記憶はそれほど得意ではありません。

そこでLSTMを使うと、ワードやセンテンスだけでなく、段落やストーリーといった文章まで予測して仕上げることも可能になるのです。またCNNとRNNを組み合わせると、ある絵や写真を取り込んで「りんごを食べるチンパンジー」とテキストで表現して文字起こしもできるようになります。

音声認識

KerasのRNNによって会話音声の意味を理解し、文章全体の主旨を明確にとらえられます。音声認識はスマートスピーカーやスマホの自動検索などにさかんに使われています。

例えば、「公園」と「公演」のような同音異義語でも、発音や前後の文脈などからその意味を理解し、文章全体の主旨も明確にとらえられます。

解析結果を文章化したり、音声で返答したりすることも可能です。ニューラルネットワークのため、多くの言葉を聞き取り、繰り返し話しかけられるにつれ精度が向上します。

機械翻訳

KerasのRNNとLSTMをうまく掛け合わせると、ある言語で聞いた言葉や文章を別の言語に翻訳して音声で応えたり、テキスト化することも可能になります。

大量の言語データを学習させて、ある単語をインプットした際に、次の言葉を予測しながら意味の通った文章に訳していくのです。

ボットの作成

KerasのRNNを使えば、大量の問答パターンを学習させることで、ユーザーからの問い合わせに対して最適な返答を行うボットの作成もできます。従来の、用意された台本通りの受け答えしかできないルールベース型のボットとは異なり、会話の数が増えるほどにさまざまな会話パターンを学習します。

オリジナリティのある精度の高い会話術を身につけさせることが可能となるでしょう。これにより、24時間・365日いつでもカスタマー対応ができるようになるので、業務効率化や人件費削減に寄与します。

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Kerasが人気の5つの理由

Kerasが業界で人気の理由

KerasがWeb3.0業界で人気がある理由についてさらに掘り下げましょう。

実績が豊富

実績が豊富

Kerasは、すでにあらゆるビジネスシーンや研究プロセスにおいてその実績が認められています。コロナ禍において大きく業績を伸ばしたNetflixやUberTechnologies、またNASA(アメリカ航空宇宙局)や素粒子物理学の世界的研究機関CERN(欧州原子核研究機構)でも活用されています。

2020年初頭で、375,000人を超える利用者がおり、他のディープラーニング向けライブラリの中でも高い注目度を誇っています。

オープンソースであること

Kerasは、OSS(オープンソースソフトウェア)のため、だれでも無料で利用できます。しかも、実用性が高く、できることが多いので、費用対効果の高さが際だっている点が、人気の理由でもあります。

初心者でも扱いやすい

Kerasで使われる言語はPythonのみです。Pythonは平均の習得時間が200〜300時間と、他の言語に比べて短めなので、初心者でも扱いやすいメリットがあります。

ドキュメントが日本語化されており、エラーメッセージが明確で使いやすく、モジュール化が充実していて拡張性が高い点も、初心者向けといえるでしょう。

ディープラーニングをシンプルに実装できる

Kerasには、ディープラーニングのプロトタイプをすぐに作成できる利点があります。初心者に使いやすいKerasは、低レベルの計算を自ら行わず、Tensorflowをはじめとする他のライブラリにバックエンドを任せるからです。

ディープラーニングはまだ歴史が浅く、他の開発業務と比較すると技術的にハードルが高くなりがちです。しかし、Kerasを使えば、直感的な操作によって驚くほど簡単にディープラーニングを実装できます。初心者にとってのディープラーニングへの敷居を一気に下げたといえるでしょう。

Kerasを使用した画像分類のプロトタイプ作成例

例として、Kerasを使用して画像分類のプロトタイプを作成する方法を以下に説明します。(あくまで参考例なので未検証です。)

まず、必要なライブラリをインポートします。

from keras.models import Sequential
from keras.layers import Conv2D, MaxPooling2D, Flatten, Dense
from keras.optimizers import Adam
from keras.preprocessing.image import ImageDataGenerator

次に、モデルの構造を定義します。以下の例では、3つの畳み込み層、2つの最大プーリング層、および2つの全結合層を持つシーケンシャルモデルを作成します。

model = Sequential()

model.add(Conv2D(32, (3,3), activation=’relu’, input_shape=(64,64,3)))
model.add(MaxPooling2D(pool_size=(2,2)))

model.add(Conv2D(64, (3,3), activation=’relu’))
model.add(MaxPooling2D(pool_size=(2,2)))

model.add(Conv2D(128, (3,3), activation=’relu’))
model.add(MaxPooling2D(pool_size=(2,2)))

model.add(Flatten())

model.add(Dense(64, activation=’relu’))
model.add(Dense(3, activation=’softmax’))

次に、モデルをコンパイルします。以下の例では、二値分類問題のために、バイナリ交差エントロピーを損失関数として使用し、Adamオプティマイザを使用してモデルをコンパイルします。

model.compile(loss=’categorical_crossentropy’, optimizer=Adam(lr=0.001), metrics=[‘accuracy’])

次に、トレーニングデータと検証データを読み込みます。以下の例では、ImageDataGeneratorを使用して、トレーニングデータと検証データを拡張します。

train_datagen = ImageDataGenerator(shear_range=0.2, zoom_range=0.2, horizontal_flip=True)

test_datagen = ImageDataGenerator()

train_set = train_datagen.flow_from_directory(‘training_set’, target_size=(64,64), batch_size=32, class_mode=’categorical’)

test_set = test_datagen.flow_from_directory(‘test_set’, target_size=(64,64), batch_size=32, class_mode=’categorical’)

最後に、モデルをトレーニングします。以下の例では、fitメソッドを使用して、エポック数を10に設定してモデルをトレーニングします。

model.fit(train_set, steps_per_epoch=len(train_set), epochs=10, validation_data=test_set, validation_steps=len(test_set))

このように、Kerasを使って、驚くほどシンプルなコーディングでディープラーニングのプロトタイプを作成できることがわかります。

簡単にモデルを製品化できる

Kerasは、他のディープラーニングAPIに比べて幅広いプラットフォームにデプロイできるので、容易にモデルのプロダクト化が可能です。アイデアから最終結果へとつなげるリードタイムを短縮することは、クライアントからの要望をスピーディーに製品へと昇華させて、競争優位に立つうえで非常に価値があります。

Kerasを十分に使いこなせるスキルをもつことは、AI業界での活躍の場を広げるのに、間違いなく役立つといえるでしょう。

まとめ

Kerasは、ニューラルネットワークの開発に大いに役立ちます。Tensorflowをバックエンドに動作する高レベルのライブラリのため、容易でスピーディーなモデル実装が叶い、AIならではのニーズの高いシステム開発に欠かせない存在といっても過言ではありません。

AIやWeb3.といった先端テクノロジー業界でのより有利な転職に向けたステップアップのためには、Kerasのスキルと実績はますます重要になるでしょう。

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