世の中のあらゆるITシステムは、インフラエンジニアなしでは成り立たないと言っても過言ではありません。サーバーやネットワーク、データベースなどの構築や管理から運用に至るまで、目立たない存在ながらも、インフラエンジニアの活躍によって滞りなくITサービスが提供されています。
そんなインフラエンジニアをめぐる転職事情について解説します。インフラエンジニアへの転職と、インフラエンジニアからの転職に分けて、成功するポイントや会社選びのコツを紹介します。ぜひ、これからの転職やキャリアプラン策定の参考にしてください。
こちらの記事でインフラエンジニアの仕事内容、人気の理由、将来性について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
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インフラエンジニアへの転職がおすすめの4つの理由
インフラエンジニアへの転職がおすすめな理由は、主に以下の3点が挙げられます。
- 需要がなくならない
- 活躍できる業種の幅が広い
- DXで活躍の場所が広がる
- 給料が高い
それぞれについて解説します。
需要がなくならない
近年、クラウドの浸透により、企業や行政のIT基盤は自社でのオンプレミス型サーバー構築・運用が少なくなり、データベースもクラウド化が進む傾向にあります。とはいえインフラエンジニアの役割が減少しているわけではありません。
活躍の場がクラウドに移行しただけであり、その役割の重要性は変わりません。また、ネットワークの構築とともに、サーバーやデータベースを含むサイバーセキュリティの強化は、インフラエンジニアにとって極めて重要な課題です。
インフラエンジニアの関わる領域は、24時間・365日、中断することなく機能する必要があります。そのため、システムの構築だけでなく、保守や監視、トラブル対応、技術指導といった業務の需要も高くなっています。
しかし、ITエンジニアの中で今急激に上り調子のAWSエンジニアなどクラウド系エンジニアと比べると、インフラエンジニアの人気は高くないのが現実です。それでも、将来的に国内のIT人材が不足していく流れにあってインフラエンジニアへのニーズはますます高まることが予想されます。
活躍できる業種の幅が広い
インフラエンジニアが活躍できる業種は非常に広いため、それだけ転職先も多いでしょう。具体的には、以下のような業種が挙げられます。
- ソフトウェア業
- 通信・インターネット付随サービス業
- 放送業
- 広告業
- 製造業
- 小売
- 貿易
- 流通・物流業
- 金融業
ソフトウェア業界は、新たなプロダクトの開発において、サーバーやネットワーク、データベースとの親和性を常に向上させる必要があります。製造業や小売りの顧客管理、流通・物流業に至るまでの適切なサプライチェーンやバリューチェーンの構築においても、インフラエンジニアの存在は重要です。
また、個人情報、企業や個人の資産の保管庫である金融業においても、フィンテックやブロックチェーンなどの新技術への対応において高品質かつセキュアなネットワークの構築と管理運用が欠かせない状況です。
DXで活躍の場所が広がる
さらに、多くの業種でデジタルトランスフォーメーション(DX)への取り組みが加速しており、業界を超えた協力やコラボレーションが増加しています。この流れの中で、ITインフラの進化と連携は重要な役割を果たしており、優れたインフラエンジニアの需要は非常に高まっています。
高年収
インフラエンジニアの給与は、初めの段階ではそこまで高くありませんが、ステップを重ねるごとに増加していきます。厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によると平均年収は660万円を上回るため、同年代の他の業種と比較して高い水準です。特に優れたインフラエンジニアの場合、年収が1,000万円を超えるケースも珍しくありません。
こうした理由から、ITインフラを支える重要性はもちろん、安定した生計を築く点からも、インフラエンジニアへの転職は魅力的なメリットを持っていると言えるでしょう。
こちらの記事でインフラエンジニアの年代別給料相場について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
未経験からでもインフラエンジニアになれるの?
特に20代の方の中には、未経験でもインフラエンジニアになれるのか気になる方も多いのではないでしょうか。結論からいうと、未経験からでもインフラエンジニアになることは十分に可能です。
なぜなら、現代のITインフラは複雑化しており、既に構築や運用されているシステムの保守、監視、点検、さらにはトラブル対応といった業務が日常的に行われています。これらのタスクは、経験者だけでなく、新入社員や未経験者にも挑戦の機会が豊富に存在します。
当然ですが、プロフェッショナルとして活躍するためには、基本的な知識や技術の取得は欠かせません。入門として、既存システムの保守や点検業務から始め、そこでの経験を基盤に、次第により複雑なタスクやプロジェクトに関与していくことが求められるでしょう。このプロセスを通じて、インフラエンジニアとしてのキャリアを確実に築いていくことが可能となります。
こちらの記事でインフラエンジニアを含む未経験で目指せるおすすめエンジニア種類について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
インフラエンジニアへの転職を成功させる3つの方法
続いてインフラエンジニアへの転職を成功させる方法は、以下の3点です。
- 資格を取得する
- 目的やビジョンを明確にしておく
- 転職サービスをうまく活用する
それぞれの詳細を解説します。
資格を取得する
インフラエンジニアとしてのキャリアを目指す際、以下の資格は求職活動において競争力を高めるものとして強く推奨されます。
- 基本情報技術者(FE)
- 応用情報技術者(AP)
- シスコ認定ネットワークアソシエイト(CCNA)
- Linux Professional Institute Certification(LPIC)
- AWS認定ソリューションアーキテクト
近年のIT業界の動向を鑑みると、クラウドサービスやネットワークの知識が重要視されています。特に、AWSやシスコなどの資格は、業務の幅や深みを増すための重要なキーとなります。
資格を取得することで、求人企業側は応募者の能力や知識レベルを明確に評価しやすくなります。能力や知識がはっきりしていることは、採用判断の際の大きなアドバンテージとなるため、現場のインフラエンジニアとしての立場からも、資格取得は強く推奨されています。
企業側も求職者の担当業務について具体的なイメージを持ちやすくなります。何ができるのかが曖昧だと採用の決定打にかけるため、資格を習得している方が有利に働くことが多いのです。
こちらの記事でインフラエンジニアにおすすめの資格、自分に必要な資格の見極め方について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
目的やビジョンを明確にしておく
インフラエンジニアとして成功するためには、自身の目的やビジョンをしっかりと持つことが不可欠です。現場のリーダーやベテランエンジニアたちと話すと、彼らが共通して口にするのは「自分の進む方向をしっかり定めること」の大切さです。特に現場の速度が速く、技術の進化も激しい昨今、方向性がぼやけるとすぐに取り残されてしまう可能性があります。
インフラエンジニアの領域は広く、具体的には以下のような専門分野に分かれています。
専門分野 | 概要 |
---|---|
ネットワークエンジニア | ネットワーク機器の設計・運用を担当 |
クラウドエンジニア | クラウドプラットフォーム上での設計・運用が主な業務 |
サーバーエンジニア | 物理サーバーまたは仮想サーバーの管理・運用を行う |
データベースエンジニア | データベースの設計、最適化、運用を専門とする |
運用保守系エンジニア | システムの日常的な運用やトラブルシューティングを行う |
どの専門分野の技術を学び、どの資格を取得するか、そしてどの企業やプロジェクトに参加するかの選択がスムーズになります。あなたが目指すインフラエンジニアとしてのキャリアに合わせて、必要なスキルや知識を習得していくことが、ポジティブな評価と成功への一歩となるでしょう。
転職サービスをうまく活用する
転職エージェントの活用もおすすめです。さらに、エンジニア系の転職に特化したサービスを選ぶことをおすすめします。これらのサービスは、インフラエンジニアの転職情報を豊富に持っているだけでなく、さまざまな成功事例を教えてくれるでしょう。
相談の中で、自身の強みや弱点を明確にすることもできます。転職は大きな決断であり、実際に動き出すには意外と勇気がいることもあります。一人で悩んでいても、時間だけが過ぎてしまい、どう動くべきか正解が見えなくなってしまうこともあります。
その点、プロのアドバイスとサポートがあれば、具体的な行動を取りやすくなります。その結果、転職先が見つかる可能性が高まるでしょう。
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インフラエンジニア転職先の会社を選ぶ4つのコツ
インフラエンジニアとしてキャリアアップしていく際に、転職先の会社を選ぶコツを紹介します。
- スキルアップできる環境
- 企業の実績やプロジェクト
- 研修が充実している
- 資格取得を支援してくれる
それぞれの詳細を解説します。
スキルアップできる環境
技術の進化が著しいインフラ分野において、継続的なスキルアップが生き残るための鍵です。転職先での具体的な教育体制や研修プログラムが整っているか、また先輩エンジニアたちのスキルセットとその伝承の仕組みをしっかり確認しましょう。
経験豊富なインフラエンジニアが在籍している企業は、若手や中堅エンジニアにとっては学びの場として非常に価値があります。彼らからのフィードバックやアドバイスは、独自の視点や深い経験に基づいたもので、非常に有意義です。
企業の実績やプロジェクト
自身が目指す方向性に合致するプロジェクトや技術スタックを持っている企業は、キャリアアップの環境として理想的です。また、現在進行中のプロジェクトやこれまでの実績、使用している技術などを深堀りすることで、実際の現場の状況をより具体的に把握できます。
具体的な仕事内容についても詳しくヒアリングできれば、転職後の期待と実際が一致しないリスクを最小限に抑えることができます。
研修が充実している
会社を選ぶ際には、新入社員や中途社員向けの研修制度がどれだけ実践的かをチェックしましょう。
インフラエンジニアとしてステップアップを目指す多くの方は、未経験や経験が浅いというスタートラインに立つことが多いです。そのような背景を持つ方々がキャリアの初めのステップで最も求めるのは、実践的なスキル習得の機会です。
理論だけでなく、実際の業務で役立つスキルを身につけることができる研修があるかどうかは非常に大切です。実務経験の豊富なエンジニアからの直接の指導は、スキルアップのスピードを格段に向上させます。
また、インフラ技術は日々進化しています。そのため、新しい技術やトレンドに柔軟に対応できる環境が整っている企業を選ぶことで、常に最前線の技術を学ぶことができます。
初心者や経験が浅い方々も、しっかりとしたサポート体制と研修制度が整った企業を選ぶことで、安心してキャリアをスタートさせることができます。
資格取得を支援してくれる
資格取得を効率よく進めるためのサポート体制が整っている企業を選ぶことで、そのキャリア形成のスピードを大きく上げることができます。インフラエンジニアの道を進む上で、技術的な資格は自身のスキルを証明する有力な手段となります。しかし、現実には、仕事と並行して資格学習を進めるのは難しいことも少なくありません。
ですから、企業がどの程度、資格取得に対する経済的なサポートをしてくれるかは大きな選考基準となります。受験料や教材費、研修費用の補助があれば、自身の学びをもっと積極的に進めることができます。
また、最近は資格の学習や受験に必要な時間を、業務時間内に取ることができる企業も増えています。そのような環境であれば、日常業務との両立がよりスムーズになります。そして、資格を取得した後の評価制度や昇進のチャンス、報酬体系を明確にしている企業を選ぶことで、長期的なキャリアパスを描きやすくなります。
成功するインフラエンジニアとしての道は、資格取得だけではありませんが、企業がその努力をしっかりとサポートしてくれる環境下であれば、確実にスキルアップのスピードを上げることができます。
インフラエンジニアから他職へステップアップ転職できる?
最後に、インフラエンジニアからの転職についても解説します。具体的には、同じ職種への転職と異なる職種への転職の2パターンがあります。
転職の前に、本業以外の副業で経験とスキルを身につけていくこともお勧めします。こちらの記事でインフラエンジニアのおすすめ副業案件種類について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
同じ職種でより良い待遇への転職を目指す
職種はインフラエンジニアのままで、より待遇がよく、働く環境に恵まれている勤務先に転職することが考えられます。すでに実務経験があるため、新たな仕事先でも上手く業務を開始できるでしょう。
インフラエンジニアの仕事は、残業や休日出勤、夜間対応なども珍しくありません。時には厳しい上司やクライアントに囲まれることもあり、そういった環境で続けていくのが困難になることもあります。こうした状況から脱する手段として転職が考えられます。
異なる職種への転職を目指す
別のアプローチとして、以下のような異なる職種を検討することも一つの手です。
- ITコンサルタント
- プロジェクトマネージャー
- SE(システムエンジニア)や社内SE
- フリーランスのエンジニア
これまで学んできたスキルを活かせる場面もあるかもしれませんが、新たな学習が必要なケースも多々あります。しかし、その努力が将来の大きなチャンスになる可能性は高いでしょう。長期的な視点で自身のキャリアを考える際に検討してみる価値があるでしょう。
インフラエンジニアでよくある質問まとめ
- インフラエンジニアへの転職がおすすめの理由は?
-
インフラエンジニアへの転職がおすすめな理由は、主に以下の3点が挙げられます。
- 需要が高い
- 業種が広い
- DXで活躍の場所が広がる
- 給料が高い
詳しくはこちらにジャンプ。
- インフラエンジニアへの転職を成功させる方法は?
-
インフラエンジニアへの転職を成功させる方法は、以下の3点が。
- 資格を取得する
- 目的やビジョンを明確にしておく
- 転職サービスをうまく活用する
詳しくはこちらにジャンプ。
まとめ
インフラエンジニアは、IT業界において不可欠な存在です。そのため、様々な業界で求められ、転職の選択肢として非常に有望といってよいでしょう。
転職を成功させるためには、資格取得や将来的なビジョンを明確にしておくことが重要です。自力でステップアップしていくのは容易ではないため、そうした成長を支援してくれる企業を見つけることも大切です。
また、インフラエンジニアからの転職もさまざまな方法が考えられます。どの道を選ぶにせよ、転職活動は専門家の助けを上手に活用しながら進めるものです。キャリアプランをしっかりと策定し、多くの情報を収集して、転職へのステップアップをスムーズに進めることが成功の鍵となるでしょう。
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