AIエンジニアは、特別に資格がなければなれない職種ではありません。しかし、実際には資格取得を目指し、テーマを絞って基礎から勉強する方が即戦力として活躍できます。スキル証明にもなるので、就職や転職の際にも有利でしょう。
そこで今回は、AIエンジニアが資格を取得するメリットやおすすめ資格、その勉強方法について詳しく解説します。これからAIエンジニアを目指したいという方はぜひ参考にしてください。
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AIエンジニアが資格を取得する3つのメリット
はじめにAIエンジニアが資格を取得するメリットから解説しましょう。
- 確実にスキルアップできる
- 知識やスキル証明になる
- 収入が増加する
確実にスキルアップできる
AIエンジニア向けの資格は、日本ディープラーニング協会やAmazon、MicrosoftといったAI開発やソリューションに必要な最新スキルや知識を的確に把握していたり、世界レベルでAIテクノロジーを牽引したりする組織や企業が主催しているものが少なくありません。また、AIプロダクトの開発や実装に不可欠なプログラミング言語の資格もあります。
したがって、これらの資格を取得するとAIエンジニアとして現場で活躍できるスキルが確実に身につきます。各資格でマスターできる内容も明確なため、足りない知識を補いながらのスキルアップも可能です。そうすることにより、自身のキャリアプランを意識しながらステップアップできるので、非常に利点が大きいでしょう。
転職の際に知識やスキルの証明になる
資格を取得すると、AIエンジニアとしてのスキル証明ができます。就職や転職の際に書類選考にパスしやすくなり、面接でも自己アピールに役立ちます。資格は個性や特性にもつながるため、企業で働き始めてからもプロジェクトの内容に応じてアサインされるチャンスが増えるでしょう。
収入が増加する
資格を取得して網羅できる知識を広げていけば活躍の機会が増えます。すると、会社内でもエンジニアとしてキャリアアップし、昇給が期待できます。転職の際の査定にも影響するでしょう。
また、人気言語であるPythonの扱いに習熟したAIエンジニアは、フリーランスになってさまざまな種類の案件がこなせると、会社勤めに比べて大幅に収入がアップするケースがあります。その場合にも資格が大きくものをいうでしょう。
こちらの記事でAIエンジニアが年収を上げる方法について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
AIエンジニアにおすすめの資格4選
それではここから、AIエンジニアにおすすめの資格を具体的に13個紹介しましょう。
G検定(ジェネラリスト検定)
G検定は、日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催するAIに特化した試験です。AIエンジニアに不可欠な機械学習やディープラーニングに加え、AIの歴史や法律・倫理、数学についても包括的に基礎から学べるため導入としておすすめです。特にビジネスサイドでAIを活用するための知識を深めることを目的としています。
合格率は60〜70%で難易度は高くありません。G検定は実装能力を問う資格ではなく、実際にディープラーニングを用いたシステムを構築するスキルを証明するためには、E資格のようなエンジニア向けの資格が必要でしょう。
合格すると専用のバッジが付与され、名刺にも認定マークを載せられるので、スキル証明や商談でも有利となるでしょう。
E検定(エンジニア資格)
G検定と同じく日本ディープラーニング協会(JDLA)が主催する資格で、AI業界では非常に認知度が高いです。G検定に比べるとより技術的で専門的な内容を扱っています。AIエンジニアにとって必要な深い知識とスキルを評価する試験です。自信があればG検定を経ずにこちらを最初に受験してもよいでしょう。
E検定は、ディープラーニングの実装能力を問う試験です。これは、実際にAIシステムを構築できる能力を証明することができ、AIエンジニアとしての実践的なスキルを示すことができます。
E検定は以下の4分野から出題されます。
- 機械学習
- 深層学習
- 応用数学
- 開発・運用環境
合格率は70%で、各分野のポイントをおさえてしっかりと学習すれば取得できる確率は高まるでしょう。ただし、E検定受験は、2年以内にJDLAの定める認定講座(有料)を終了していることが前提となるので注意してください。
AI実装検定
AI実装検定実行委員会(AIEO)主催の、体系的なディープラーニングの実像知識とスキルを検定する試験です。AI技術の実装に関する高度な知識とスキルを評価する資格であり、AIエンジニアにとって非常に有効です。
試験内容は、AIモデルの開発、デプロイメント、運用に関する実践的なスキルを中心に構成されています。レベルの低いものからB級、A級、S級まで3段階に分かれています。
B級は、AIについての基本的な知識を問うものでG検定より簡単なレベルに設定されています。A級は、G検定とE検定の間のレベルと言われています。
S級になるとE検定より難易度がアップします。国内のAI資格では最高峰のため、スキル証明として価値が高く、受験する意義は大きいでしょう。いずれもパスすると合格ロゴが発行されます。
画像処理エンジニア検定
画像情報教育振興協会(CG-ARTS協会)が実施する民間資格で、画像処理技術を使った開発、設計の知識とスキルを評価するものです。 ベーシックとエキスパートの2段階からなります。ベーシックの合格率は60〜70%と高いですが、エキスパートは30〜40%で出題範囲が広く、難易度も高くなります。
AI開発は画像処理技術との関連が深いため、エキスパートを取得しておくと、画像関連のプロジェクトで活躍できるチャンスが広がるでしょう。
Python・データ分析系おすすめ資格4選
AI開発にする際に頻繁に求められるデータ解析系、そしてPython関連のおすすめ資格について説明します。
データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル
データサイエンティスト検定™ リテラシーレベル(DS検定)は、データサイエンティスト協会が主催する民間資格で、レベルの低いものから順に「アシスタント」「アソシエート」「フル」「シニア」の4段階からなります。AIプロジェクトの中心として必要なデータサイエンス力とエンジニア力、さらにビジネス力を総合的に習得できるのでおすすめです。
データサイエンスの基礎的な知識とスキルを幅広く評価するものであり、データサイエンスに興味がある学生やデータサイエンティストを目指す人、またはデータサイエンスの基礎知識を必要とする社会人にとって有用な資格試験です。
Python3エンジニア認定基礎試験
Pythonエンジニア育成推進協会主催の民間資格です。経済産業省が定めるITSSレベル1に相当し、Pythonの文法と基礎概念、およびそれらを踏まえた応用問題が出題されます。
合格率は75〜80%と高いため、内容を理解して学習すれば合格できるでしょう。AIエンジニアやPythonエンジニアを目指すPython初学者に最適です。ただし、この試験はPythonの基礎文法に焦点を当てているため、AIの専門知識を直接評価するものではありません。AIエンジニアとしてのキャリアを築くには、この試験に合格後、さらに専門的なAI関連の学習や実践経験を積むことが重要です。
Python3エンジニア認定データ分析試験
2020年から始まった比較的新しい試験で、Pythonの基礎に加えてNumPy、pandas、Matplotlib、scikit-learnといったライブラリによる分析に関するスキルが問われます。Pythonを使った分析力を高めたいPythonエンジニアやAIエンジニア向けです。経済産業省のITスキル標準(ITSS)において、ソフトウェアディベロップメント職種、応用ソフト専門分野のレベル1に位置づけられています。
「Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書」(翔泳社)が認定テキストになっており、出題範囲に対応しているので、これを活用すると合格しやすくなるでしょう。
統計検定
統計検定は、統計質保証推進協会が主催する民間資格です。統計学の基礎から応用までの知識を体系的に学び、その理解度を評価することを目的としています。これにより、統計的なデータ分析や意思決定に必要なスキルを証明することができます。
1級・準1級・2級・3級・4級まであります。とくに準1級以上は、大学数学の応用レベル以上が求められ、AI関連プロジェクトにおけるデータ分析と統計処理のエキスパートとして活躍できます。
いずれも取得するとオープンバッジが発行されるため、スキル証明がしやすくなります。
人気開発プラットフォーム系おすすめ資格5選
MicrosoftのAzure AI、AmazonのAWS、そしてGoogleのGCP関連でAIエンジニアとしてステップアップしたいエンジニア向けのおすすめ資格について説明します。
AI-900:Microsoft Azure AI Fundamentals
マイクロソフトが主催する民間資格で、同社が提供するAzure AIに関する基礎的な認定資格です。AIと機械学習の基本概念、およびMicrosoft Azureにおけるこれらのサービスに関する基礎知識を証明します。
Azure関連資格は数多く存在しますが、その中では初級者向けのため、とっかかりとしておすすめです。より高度なAzure AI関連の資格(例:Azure Data Scientist Associate、Azure AI Engineer Associate)への準備段階として活用できます。
AI-102:Designing and Implementing a Microsoft Azure AI Solution
Azureの中級者向けの試験になります。エンジニアとしてAzureを使ったAI開発を行う際に役立ちます。上記901に加えて、自然言語処理、音声認識、コンピュータービジョン、ナレッジマイニングなどを用いた AI ソリューション構築とメンテナンスまでを総合的に学べます。
G検定をパスしたエンジニアが次のステップとしてトライするケースが多いです。試験準備には、Microsoft Learnや公式トレーニングコースを活用し、実践的な経験を積むことが推奨されます。
DP-100: Azure でのデータサイエンスソリューションの設計と実装
Azureの中でもデータサイエンスに関連する中級者向け資格になります。機械学習とデータサイエンスを通じてAzureで機械学習ワークロードを実装のうえ実行するのに必要な専門スキルが学べます。
Azure Machine Learning をはじめとするAzureサービスの使用法につき実践的なスキルが学べるので、Azureを利用したデータサイエンスプロジェクトで力を発揮できるようになります。
AWS Certified Machine Learning-Specialty
AWS Certified Machine Learning – Specialty(AWS認定機械学習スペシャリティ)は、AWSクラウド上で機械学習(ML)モデルの構築、トレーニング、チューニング、およびデプロイに関する専門知識を認定する資格です。Amazonのクラウドコンピューティングサービス「AWS」を使った機械学習やディープラーニングのワークロード開発、アーキテクチャの設計と実装といった実践的スキルを習得するのにうってつけです。
AWSクラウドでのML/深層学習ワークロードの開発、アーキテクチャ設計、実行において1年(できれば2年)以上の実践経験を持つ個人が対象です。
AWSのシェアは非常に高く、世界的に認知されている資格でもあるため、転職の際のスキル証明としても有効です。合格率は50%前後で簡単とは言えませんが、集中して学習すれば数ヶ月で合格も狙えます。
Google Cloud Professional Data Engineer
Professional Data Engineerは、Google Cloud Platform(GCP)上でデータエンジニアリングソリューションを設計、構築、運用するためのスキルと知識を認定する資格です。データサイエンティストの経験が3年以上、Google Cloudを使用したソリューションの設計と管理の経験が1年以上あることを前提としたGoogle主催の資格です。
データ処理システムの設計・構築・運用、機械学習モデルの運用、ソリューションの品質保証について出題されます。経営層の意思決定をデータサイエンスの側面からサポートできるため、キャリアアップや年収増も期待できます。
AIエンジニアが資格を取得するための勉強方法
AIエンジニア向けの資格は、主催する団体や企業が提供する専用講座が設けられているケースが多いため、それらを活用することを強くおすすめします。専門の講師がわかりやすく解説してくれるだけでなく、最新情報にキャッチアップでき、試験の出題ポイントも掴めるので仕事をしながらでも効率的に合格を狙えます。
また、推奨テキストが販売されているパターンも多く、出題分野に対応しているため試験を想定しながらのポイントを押さえた勉強がはかどるでしょう。
メタバースエンジニアでよくある質問まとめ
- メタバースエンジニアとは?
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メタバースエンジニアとは、コンピュータ中に構築された3次元の仮想空間であるメタバースに関する開発や設計を行うエンジニアです。現在のメタバース市場の拡大に伴って企業の人材争奪戦が始まっています。詳しくはこちらにジャンプ。
- メタバースエンジニアの年収相場は?
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メタバースエンジニアの年収は一般企業よりも高い傾向にあります。Tech Forward調査によるとメタバースエンジニアの年収は約750万円です。また、数年経験を積めば850万円を超える年収を手にすることもできます。詳しくはこちらにジャンプ。
まとめ
AIへの注目度は世界的に急増しているため、今後AIエンジニアのニーズは、ますます高まっていくとみて間違いありません。ただし活躍の場を確実に広げるためにも、資格の取得をおすすめします。
自身の目指す方向に見合った資格を計画的に取得できれば、転職で有利になったり、キャリアアップや年収増にもつながったりします。
資格によってはレベル分けされているものもあるので、無理せず取れるものから挑戦して自信をつけていくのもよいでしょう。興味があれば、気になる資格についてさらに詳しく調べてみてはいかがでしょうか。
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