現在、Pythonエンジニアへの転職は非常におすすめになっています。Pythonはアプリ開発をはじめ、ビッグデータ、AI、機械学習、ブロックチェーンなど、さまざまな分野で市場を牽引する新たなツールやテクノロジーの開発に幅広く活用できる点が人気です。
こちらの記事でPythonが多くのエンジニアに指示されている理由について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
しかし、Pythonエンジニアへの転職に興味があっても、実際に転職を考えると実情がよくわからず不安を感じることもあるかもしれません。この記事では、Pythonエンジニアへの転職がおすすめの理由や将来性、未経験でも転職が可能か、また転職におすすめのスキルや資格について詳しく解説します。
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Pythonエンジニアへの転職がおすすめの5つの理由
Pythonエンジニアへの転職がおすすめな理由は、以下になります。
- 将来性が高い
- フリーランスとして独立して働ける
- 汎用性が高くてグローバル
- 年収が高い
- (比較的)学びやすい
それぞれの理由を詳しく解説します。
将来性が高い
近年、新たに学ぶプログラミング言語として注目を集めているのがPythonです。その理由は将来性の高さにあります。Pythonは以下のようにさまざまな分野で利用されています。
- デスクトップアプリケーション
- スマートフォンアプリケーション
- ウェブサービス
- 自動データ処理
- データ分析
- ウェブ上の画像やテキストデータの収集
さらに、AIの生成においてもPythonは欠かせないものとなっています。そのためPythonを使いこなすことができればさまざまな業界で活躍することができます。
フリーランスとして独立して働ける
多くのPythonエンジニアが独立して、フリーランスとして活躍しています。
Pythonフリーランスエンジニア案件は、平均すると月額報酬約70万円です。JavaやPHP、JavaScriptといった主要言語を上回る高騰ぶりを示しています。
AIや機械学習を使ったプロダクトの開発や、高度なデータ分析、ブロックチェーンやゲームアプリ開発など、Pythonエンジニアのニーズは非常に高まっているため、次々と仕事が舞い込むと期待してよいでしょう。
こちらの記事でPythonエンジニアのフリーランス事情、平均報酬相場について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
汎用性が高くてグローバル
Pythonは汎用性が高いため、エンジニアとしてグローバルに活躍できるチャンスも広がります。国内だけでなく、海外でもPythonの市場価値は右肩上がりで上昇しており、高度なスキルを習得すれば世界的な開発プロジェクトにたずさわることも夢ではありません。
さらに、Pythonのスキルを習得することで、Web3の主要な要素であるブロックチェーンの開発を手がけることも可能となります。デジタル通貨やNFT(非代替性トークン)、メタバースなど、市場拡大が期待される革新的なサービスの開発に貢献できれば、その達成感は非常に大きいことでしょう。
年収が高い
年収が高い点も、Pythonエンジニアへの転職がおすすめな理由の一つです。2022年のpaizaaの調査によると平均年収は約650万円で、年収帯は400〜850万円です。JavaやPHP、C#といった他の主要言語エンジニアに比べて50〜200万円は上回り、高度なAIの開発やデータサイエンス業務の場合は、1,000万円を超える例もあります。
特に国内では、Pythonエンジニアの需要が高まりつつある一方で供給が不足しており、年収水準も上昇していると言えます。今後もこの状況が続く見込みであり、転職の条件として所得アップを強く望む方にはおすすめです。
(比較的)学びやすい
Pythonは初心者にとっても非常に学びやすい言語です。コードのコンパイルが不要で修正が容易であり、文法も比較的シンプルなため読み書きが容易です。
豊富なフレームワークやライブラリが利用でき、開発プロセスを効率化するのに役立ちます。WindowsやMac、LinuxといったメジャーなOSをサポートしているうえ、参考書や動画など、学習情報も豊富にそろっているので、比較的容易に習得できる環境が整っています。
多様な業界での活躍が可能
Pythonは、以下のような多様な業界での応用が可能です。この多様性が、キャリアの選択肢を広げ、より多くのチャンスをもたらします。
業界 | Pythonの使用状況 |
---|---|
金融 | 高度な数学モデルやデータ解析が必要な金融業界で広く用いられています。例えば、株価の予測やリスク評価などにPythonが活用されています。 |
医療 | 医療データの解析や、AIを用いた診断支援システムの開発にも使われています。特に、ゲノム解析や画像診断においてその力を発揮しています。 |
製造業 | 製造プロセスの最適化や品質管理にも貢献しています。IoTデバイスと連携して、リアルタイムでのデータ収集と解析が可能です。 |
エンターテインメント | ゲーム開発や映像制作においてスクリプティング言語としてよく使用されます。特に、3Dアニメーションの制作においては業界標準となっています。 |
Pythonエンジニアの需要状況は?
Pythonは汎用性が高く、次世代型の先端技術を牽引することができるポテンシャルを秘めています。特にAI分野では、新たな価値を創出し、新規事業や新商品の開発への貢献が期待されています。
また、優れたデータ分析はビッグビジネスの成功に不可欠であり、Pythonエンジニアは特に2018年以降、多くの業界で非常に重要な存在となっています。このため、Pythonエンジニアの将来性は非常に高いと言えるでしょう。
加えてプログラミング言語の人気国際ランキングを公開しているTOIBE index(2023年5月時点)によると、PythonはC言語やJavaを抑えて堂々の1位となっています。このことからもPython需要は、特定の業界や一時期的なものではなく、さまざまな業種で世界的に広がっていると考えられます。
Pythonエンジニアには未経験でも転職できる?
Pythonエンジニアに就くためには、少なくとも2年以上はPython関連の開発に携わっていることが理想です。そのため、まったくの未経験の場合、Pythonエンジニアへの転職は容易ではありません。
特に大手企業は、即戦力として活躍できるPythonエンジニアを積極的に求めています。未経験だと書類選考の段階で落とされたり、応募すらできなかったりする可能性が高いです。したがって、Pythonエンジニアとしての実力を築くために、比較的規模の小さなプロジェクトでスキルを磨き、ポテンシャル採用の機会を狙うと良いでしょう。
Pythonは未修得でもJavaやRubyを習得し、サーバーサイドの開発経験がある場合は、Pythonエンジニアとして採用してもらえる可能性は十分にあります。採用の確率を高めるためには、MySQLやSQliteの開発経験やGithubやDockerを用いたチームでの開発経験の習得や、しっかりとしたポートフォリオを提示することで自身の信頼性を高めることが大切です。
こちらの記事で未経験で目指せるおすすめエンジニア種類について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
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Pythonのスキルで活躍できるエンジニア職種10選
Pythonの開発スキルを用いて価値を創出できる職種は、以下になります。
- Pythonエンジニア
- AI・機械学習エンジニア
- データアナリスト
- データサイエンティスト
- ブロックチェーンエンジニア
- DevOpsエンジニア
- セキュリティエンジニア
- ゲーム開発者
- ネットワークエンジニア
- 量子コンピューティングエンジニア
それぞれの職種の詳細を解説します。
Pythonエンジニア
Pythonを使うとスマホやWebで活用できる様々なアプリケーションが開発できるため、エンジニアとして活躍する場が広がります。Pythonエンジニアは、ウェブ開発、自動化、データ解析など、多くの領域で活躍します。
特に、DjangoやFlaskといったフレームワークを用いたウェブアプリケーションの開発が一般的です。YouTubeやInstagram、DropboxなどはPythonで開発されたアプリの一例です。
Pythonの豊富なフレームワークやライブラリを利用すれば、ログイン、管理設定、シェア、投稿といった機能を一から作成する必要はなく、ゲームアプリ開発にも積極的に用いられています。
AI・機械学習エンジニア
近年、Pythonの人気が上昇している理由には、AIや機械学習のシステム開発が可能であるという点があります。PythonのライブラリであるTensorFlowやPyTorchを用いて、AIモデルを設計、訓練、デプロイします。
自動運転車からチャットボットまで、多くのアプリケーションがあります。AIと機械学習を利用した以下の技術や製品が増加しています。
- 生成AI
- 自動運転
- IoT
- 検知
- 検品・仕分け
- 非接触
- チャットボット
- 技術継承
Pythonを使いこなして、こうしたプロジェクトの開発を手掛けられるAI・機械学習エンジニアは、今後ますます需要が高まることが予想されます。
こちらの記事でAIエンジニアの将来性、平均年収相場について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
データアナリスト
Pythonを習得すると、データの収集や分析、またその分析結果を発表するデータアナリストになることも可能です。データアナリストは、Pythonを用いてビジネスデータを解析し、意味のある洞察を提供します。
Pythonには、NumptyやPandasといったデータ分析用の高度なライブラリが備わっており、これらをマスターすれば優れたデータアナリストになる見込みがあります。PandasやMatplotlibといったライブラリもよく使用されます。
データサイエンティスト
膨大なビッグデータからビジネスに有効活用できる情報を見つけ出し、業績向上に貢献するデータサイエンティストにとっても、Pythonの知識やスキルが役立ちます。
機械学習アルゴリズムを用いて、未来の予測やパターン認識を行うことが多いです。以下のようにPythonを活用すればデータサイエンティストとしての業務レベル向上と効率化を図ることができます。
- データ形式の統一
- データ収集時のバッチ処理
- BIツールへの表示
こちらの記事でデータサイエンティストの年収相場、活躍している業界について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
ブロックチェーンエンジニア
Pythonは、ブロックチェーン技術の開発にも使用されます。
こちらの記事でブロックチェーンの仕組み、活用されている業界について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
ブロックチェーンエンジニアはスマートコントラクトの設計や、分散型アプリケーション(dApps)の開発が主な業務です。
こちらの記事でスマートコントラクトの仕組み、活用されている業界について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
安全性と堅牢性に優れ、システムダウンリスクが低い分散型台帳のブロックチェーンは、以下のような多岐にわたる分野で活用の機会が増えています。
- 医療・医薬
- 流通・貿易・物流
- 金融
- メタバース
- ゲーム・エンタメ
- デジタルアート
社会的な課題を解決する可能性を秘めたブロックチェーンが構築できるブロックチェーンエンジニアは、今後、さらなる需要の増加が期待されます。
こちらの記事でブロックチェーンエンジニアの仕事内容、年収相場について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
DevOpsエンジニア
DevOpsエンジニアは、開発と運用の連携を強化する役割を果たします。Pythonは、AnsibleやJenkinsといったDevOpsツールとの連携が容易で、自動化スクリプトの作成やシステム監視にも使用されます。
例えば、AWS環境でのリソース監視や、Dockerコンテナの管理などが可能です。
セキュリティエンジニア
セキュリティエンジニアは、企業の情報セキュリティを保護する重要な役割を担います。
Pythonは、侵入テストツールやセキュリティ監査ツール(例:Scapy, PyCrypto)の開発に広く用いられています。これにより、リアルタイムでの脅威分析や対策が行えます。
こちらの記事でセキュリティエンジニアの仕事内容について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
ゲーム開発者
Pythonは、Pygameライブラリを用いて、2Dゲームの開発が容易に行えます。Pygameライブラリは、ゲームループやスプライト(画像オブジェクト)の管理、音声の制御など、ゲーム開発に必要な基本的な機能を提供しています。
ネットワークエンジニア
ネットワークエンジニアは、企業のネットワークインフラを設計、運用する職種です。Pythonは、CiscoやJuniperのネットワーク機器との連携が容易で、設定変更や監視、トラブルシューティングを自動化するスクリプトが多く書かれています。
量子コンピューティングエンジニア
量子コンピューティングは、量子ビットを用いて高速な計算を行う新しい形態のコンピューティングです。Pythonは、QiskitやCirqといった量子コンピューティング用のライブラリで、量子アルゴリズムの設計やシミュレーションが行えます。
Pythonエンジニアに転職する際のおすすめスキル
Pythonエンジニアに転職するためにおすすめのスキルが以下の4点です。
- Python関連の知識:基礎文法、制御フロー、オブジェクトとクラス、ファイル操作など
- 機械学習の開発スキル
- 大規模なデータ処理や分析のスキル:MySQLやSQlite、scikit-learnの開発経験
- GithubやDockerを用いたチームでの開発経験
このようなスキルがあると、Pythonエンジニアとしての経験が少なかったり、未経験であっても採用してもらえる確率が高まります。
Pythonエンジニアに転職する際のおすすめ資格3選
Pythonエンジニアとしての転職を考える際、資格の取得は自身のスキルを客観的に証明するために有利です。Pythonエンジニアの転職におすすめの資格は、以下の3つです。
- Python3エンジニア認定基礎試験
- Python3エンジニア認定データ分析試験
- Python Certifications
各資格について以下に詳しく解説します。
Python3エンジニア認定基礎試験
主教材の『Pythonチュートリアル(オライリー・ジャパン)』から、主にPythonの基本的な使用方法、仕組み、文法基礎などを問う問題が出題されます。
出題数 | 40問(全問選択問題)/CBT形式 |
試験時間 | 60分 |
合格基準 | 正答率70%以上 |
合格率 | 75% |
受験料 | 一般:11,000円(税込) 学割:5,500円(税込) |
試験日 | 通年 |
Python未経験の方は、最初にこの教材に手を出すと難しく感じて勉強が進まなくなるかもしれません。そのため、事前に初心者向けの参考書や動画などで学習しておくことをおすすめします。
すでにPythonの経験がある場合は、早ければ1〜2ヶ月くらいの勉強で合格可能な比較的難易度が低い試験です。
申し込み:https://www.pythonic-exam.com/exam/basic
Python3エンジニア認定データ分析試験
Pythonの基礎知識と数学の基礎やライブラリを活用した分析、Pythonを使ったデータ分析などについて、主教材である『Pythonによるあたらしいデータ分析の教科書(翔泳社)』の内容から出題されます。Python3エンジニア認定基礎試験よりは難易度が上がります。
出題数 | 40問(全問選択問題)/CBT形式 |
試験時間 | 60分 |
合格基準 | 70% |
合格率 | 86%(2021年6月末時点のデータ) |
受験料 | 一般:11,000円(税込) 学割:5,500円(税込) |
試験日 | 通年 |
申し込み:https://www.pythonic-exam.com/exam/analyist
Python Certifications
英語での出題となりますが、海外ではOpenEDG PythonというNPOが主催する「Python Certifications」という試験があります。レベル順に下から「Entry」「Associate」「Professional1・2」の3段階に分かれており、Entryが、「Python3エンジニア認定基礎試験」とほぼ同レベルです。
【Entry】
出題数 | 30問(選択と穴埋め) |
出題内容 | Pythonの基礎文法やプログラミングの基礎知識 |
試験時間 | 45分 |
合格基準 | 正答率70% |
受験料 | 50USD(約7,200円) |
【Associate】
出題数 | 40問(選択と穴埋め) |
出題内容 | Pythonの基礎文法やモジュールの使い方、オブジェクト指向プログラミングの基礎など |
試験時間 | 65分 |
合格基準 | 正答率70% |
受験料 | 295USD(約42,000円) |
【Professional 1】
出題数 | 40問(選択と穴埋め) |
出題内容 | オブジェクト指向プログラミングの応用理論、GUIプログラミング、ファイル処理など |
試験時間 | 65分 |
合格基準 | 正答率70% |
受験料 | 195USD(約28,000円) |
【Professional 2】
出題数 | 40問(選択と穴埋め) |
出題内容 | パッケージの作成と配布やデザインパターン、データベース制御などPythonプログラマーとしての高度なスキルレベルを問う |
試験時間 | 65分 |
合格基準 | 正答率70% |
受験料 | 195USD(約28,000円) |
申し込み:https://pythoninstitute.org/certification-tracks
Pythonエンジニアへの転職でよくある質問まとめ
- Pythonエンジニアへの転職がおすすめの理由は?
-
Pythonエンジニアへの転職がおすすめな理由は、以下の4点になります。
- 将来性が高い
- 汎用性が高くてグローバル
- 年収が高い
- 比較的学びやすい
詳しくはこちらにジャンプ。
- Pythonエンジニアには未経験でも転職できる?
-
Pythonエンジニアに就くためには、少なくとも2年以上はPython関連の開発に携わっていることが理想です。そのため、まったくの未経験の場合、転職は容易ではありません。詳しくはこちらにジャンプ。
まとめ
Pythonエンジニアは、今後の転職において非常に有望な選択肢です。特に国内では、AI関連の開発やビッグデータの収集・解析ができる人材が慢性的に不足しているため、好条件での採用が期待できるでしょう。
Pythonは他の主要なプログラミング言語に比べて学習しやすく、豊富なフレームワークやライブラリが提供されているため、市場価値を高めるための優れたツールと言えます。本格的に転職を考えている方は、ぜひPythonエンジニアを候補にいれてみてください。
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