VRとは？AR・MRとの違いは？メタバースとの関連性・将来性徹底解説！

特に2015年以降に話題となったVR（バーチャルリアリティ）ですが、メタバースの認知向上と合わせ、改めて注目されるようになっています。

VRと聞くと、ゲーム業界や映画・エンタメ業界で活用されているイメージかもしれません。しかし、現在ではゲーム業界以外にもさまざまな業界で活用されています。今後もVRが活用されてニーズが高まっていくことが予想されています。

また、VRに加えて、ARやMRも登場してきました。VRやAR、MRをきちんと区別しておくことも重要です。

今回はVRやAR、MRとの違いや仕組み、VRと関連性の高いメタバースでの活用方法、VRの将来的な需要などについて解説します。

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こちらの記事でメタバースの仕組み、代表的なプラットフォームについて詳しく解説していますので併せてご覧ください。

VRとは？

VRとは、Virtual Reality（バーチャルリアリティ）の略称であり、コンピュータ技術で現実世界のような仮想空間を作り出す技術です。

VR専用ゴーグルやHMD（ヘッドマウントディスプレイ）を着用して、仮想空間を自由に楽しむことができます。金額は数千円から数万円するゴーグルまでさまざまです。パソコンやゲーム機と接続して使用するタイプや、スマートフォンをセットするタイプのゴーグルなどを着用して楽しみます。

VRには実は長い歴史がある

VRは実は1960年代から存在していた技術です。多くの方は、2010年代以降に登場した技術だとイメージしているかもしれません。

1960年代に研究されていたVRは、現在のようなリアリティの高いコンテンツではありませんでした。2D映像が元になっているため、今のVRとは別物と考えてもいいでしょう。しかし、VRと呼ばれる概念自体は、約60年前から誕生していたのです。

その後、パソコン黎明期を迎えた影響で飛躍的に技術革新が進んだ結果、ハイエンドな家庭用ゲーム機やパソコンゲームが誕生しました。VRゲームが話題となり、2016年がVR元年と呼ばれるようになったため、近年になってから誕生した技術だと思っている人が多い状況です。

今ではゲーム内での仮想通貨と実世界の法定通貨をつなげたGameFiも広がって、VRが活用されています。こちらの記事でGameFiの仕組み、活用事例について詳しく解説していますので併せてご覧ください。

VR・AR・MRの違いとは？

VRとは、仮想空間であるVirtual Reality（バーチャル・リアリティ）です。このVRと似たコンテンツに、ARとMRと呼ばれるものがあります。

ARとは、Augmented Reality（アグメンティッド・リアリティ）の略称であり、拡張現実と呼ばれています。MRは、Mixed Reality（ミックスド・リアリティ）の略称で複合現実と呼ばれます。

それぞれについて説明します。

ARの特徴について

AR（拡張現実）とは、サングラス型のARグラスやスマートフォンなどを利用して、リアルタイムの現実世界にデジタル情報を組み合わせて投影する仕組みです。

このAR技術を活用している有名なコンテンツが以下のサービスになります。

• ポケモン GO
• どうぶつの森 ポケットキャンプ
• ニトリ・インテリア試着アプリ「RoomCo AR」

上記のARコンテンツのように、専用のARグラスと呼ばれるサングラス型のデバイスを使用したり、スマートフォン、タブレットなどを利用して、現実世界にデジタル情報を映しだしてくれます。そのため、ゲーム、エンタメ、製造業などの幅広い分野での需要が高まっています。

さらに細かく分類すると、ARには以下の3タイプが存在します。

• 「マーカー型AR」QRなどの画像情報を読み込んでデジタル映像を出現させる
• 「位置情報型AR」GPSによる位置情報を認識させる
• 「平面認識型AR」ニトリが提供しているような空間認識による

教育業界、製造業界、営業支援、EC業界などのあらゆるビジネスで注目されているコンテンツがAR技術の特徴です。

MRの特徴について

MR（複合現実）は、AR技術を改良したコンテンツであり、デジタル情報をタップして操作することが可能です。

MR専用のデバイスを装着することで、ユーザーの手の動きや顔の動き、体の向きに合わせて自由自在にデジタル情報を映しだしてくれます。なお、MR技術を利用している事例は、以下のとおりです。

• 製造業界における組立作業のシミュレーション
• 医療業界における手術シミュレーション
• 建設業界における建設作業のシミュレーション

MRは複合現実と呼ばれるだけあって、ARよりも拡張性が高かったり、デジタル情報に直接触れることができたり、操作性が高いのが特徴です。ただし、スペックの高いデバイスや高速の通信環境が求められます。

VRは映像タイプとCGタイプに分類

VRは大きく分けると、映像タイプとCGタイプの2タイプあります。

映像タイプ

1つが、全方位を同時撮影できる360度カメラを使用して、自由な視点で仮想空間内を楽しむ「映像タイプ」です。映像タイプは、戦闘系ミリタリーゲームや、F1レースゲーム、ゾンビホラーゲームなどの臨場感が欠かせないゲームで多く利用されています。

ゲームの開発には、Unreal EngineやUnityと言った開発エンジンが活用されています。

こちらの記事でVR開発に欠かせないUnreal Engineの概要について詳しく解説していますので併せてご覧ください。

こちらではUnreal Engineと双璧を成すUnityについて詳しく解説しています。

2DCGゲームとは異なり、実際の風景や登場人物とのコミュニケーションを追体験できる点が、VRの大きな特徴です。

CGタイプ

2つ目のタイプが、CG（コンピュータグラフィック）によって作られたゲーム仮想空間（メタバース）に入り込み、さまざまな体験を楽しむ「CGタイプ」です。

CGタイプのVRも、映像タイプ同様に、ゲーム業界で多く利用されています。主に、RPGゲームやSFゲームなどの分野で利用されており、クオリティの高いゲームになると、圧倒的かつ幻想的なビジュアルの仮想空間を楽しむことができます。

最先端のテクノロジーを駆使して楽しむコンテンツで、CGタイプのVRは深い没入感で楽しめるのが特徴です。

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VRの仕組みについて

VRは主に、視覚情報を利用して楽しむコンテンツです。専用のVRゴーグルやHMDを使って楽しむほかに、音声を活用することで、さらに臨場感が高まります。

このように、VRは人間の五感を使いながら、あたかも本当に仮想空間の世界に紛れ込んだような感覚にしてくれるのです。ここでは、VRを可能にした以下の基本的な仕組みについて説明します。

• 人間の目の視覚像や方向の視差を利用
• VR専用コントローラーで触覚に刺激
• ステレオ音声や空間音声により音の方角を認識

VRの仕組みを正しく理解することで、VRコンテンツを開発する際にも活かせるでしょう。

人間の目の視覚像や方向の視差を利用

VRにとって、視覚情報は最重要な要素といっていいほど欠かすことのできない部分であり、根幹を担う仕組みの部分です。
現在のVRコンテンツは、その大半が、ゴーグル型の専用機器を使って楽しみます。

ゴーグル型の専用機器としては、Meta社（旧Facebook社）が提供するMeta Quest（旧Oculus Quest）が有名です。

専用ゴーグルやHMDは、内部に左目用の映像と右目用の映像が映し出されます。両目には若干の視力の誤差や視覚像の違いなどによる視差が発生しています。VRは、この両目の視差を利用して立体的でリアリティのある映像を生み出しているのです。

VR専用コントローラーで触覚に刺激

ユーザーにVRで臨場感を味わってもらうための仕組みの1つが、手足などから得られる触覚情報です。

触覚情報を重視するVRコンテンツは、主にVRゲームがメインになります。VRゲームの場合、専用コントローラーを使用してプレイするため、バイブレーション機能を利用して手の触覚を刺激します。

ハイグレードなVRゲームの場合、コントローラーを通じて物体の硬さや柔らかさを確認することが可能です。また、専用のコントローラーが、プレイヤーの繊細な手の動きを正確に認識したり、衝撃を感じたりして、臨場感のある仮想空間を楽しめるのがVRの仕組みの1つです。

ステレオ音声や空間音声により音の方角を認識

VRにおいて、視覚情報や触覚情報のほかに重要になってくる要素が聴覚情報による音声刺激です。

VRの音声には、主に以下の2タイプがあります。

• ステレオ音声タイプ
• 空間音声タイプ

一般的に普及している「ステレオ音声タイプ」のVRは、右耳用の音声と左耳用の音声を、それぞれ録音して臨場感を演出しています。高度な最新型のVRは、「空間音声タイプ」で360°全方位の音を録音できるように、複数のマイクが使われているタイプです。

今後、よりリアリティの高いVRが求められる傾向にあるため、VR開発では音声要素も重要だということを認識しておきましょう。

VRが活用されている業界事例

VR技術はゲーム業界や映像コンテンツなどの業界で活用されているケースが目立ちます。それ以外にも、以下の業界で導入されています。

• スポーツ業界
• 医療業界
• 建築・製造業界
• 広告業界

それぞれの業界での活用状況を説明します。現在、ビジネスシーンでもVR技術が活用されはじめているため、VRを扱えるエンジニアは転職市場でも有利といえるでしょう。

スポーツ業界

VR技術は、さまざまな分野のスポーツを追体験できるゲームやトレーニングのためのコンテンツに利用されています。サッカー、ゴルフ、テニスなどのオリンピック種目のVRスポーツゲームも豊富です。

VR技術はシューティングゲームやアクションゲームなどとの相性もいいため、ゲームコンテンツにおいて、高い需要が目立っています。

なかでも近年、注目されているのがメタバースゲームです。仮想空間であるメタバース内で、ゲームをプレイしたりほかのプレイヤーとコミュニケーションが取れたり、次世代ゲームとして注目を集めています。

そのほか、実際のプロスポーツ選手や一般のプレイヤーが練習するためにVR技術が活用されているケースもあります。ゴルフのスイング練習や野球、スキー、サッカーなど、実際のスポーツ業界でもVRが重宝されているので、VR技術を活かす幅は非常に幅広いでしょう。

医療業界

VRは仮想現実と呼ばれるほどリアリティの高い映像を映しだせるため、医療現場での手術時に遠隔の医師にもVR映像を共有可能です。重要な手術や研究でも、世界中の関係者と共有できるため、医療技術の向上にも役立っています。

例えば、ジョンソン・エンド・ジョンソンは、心房細動に対する経皮的カテーテル心筋焼灼術という手術の研修VRを作成しています。習熟した専門医が行った手技の模様をVR撮影した動画が収録されているので、高スキルの術者と同じ視点で手術を体験できます。

研修者は手術現場に立ち会わなくても効果的な学習が可能となる。

建築・製造業界

高度な建設作業が求められる建築現場や、精密機械・部品を多く扱う製造現場では、正確に作業するためのシミュレーションとしても活用されています。

例えば、建築現場では安全確認として足場の確認が重要となります。災害や事故が起こりそうな複雑な現場や大規模な現場の場合は特に重要です。

足場を実際に組む前に、VRで設計を再現して確認する技術が開発されています。VRを使うことで、エリアごとのリスクの高低分布を推測できます。より安全な作業環境を作り、作業効率をアップさせることができるでしょう。

ゲーム業界以外の医療や建築業界などはより社会貢献度も高くなってくるので、VRを開発できるエンジニアの需要も増えていくといえるでしょう。

広告業界

VRの登場により、ユーザーに伝えることのできる表現の幅が大きく広がったため、イメージや体験を伝える広告業界でも利用されるようになってきました。商品やサービスのイメージを伝えたり、詳細を説明したりする広告活動においては、VRでの宣伝は非常に効果的です。

また企業によってはVRを活用して、話題性を作るためにシューティングゲーム要素を取り入れたユニークな広告を流したり、商品・サービスをプレ体験してもらうための広告を作ったりしています。

従来型の見るだけの広告ではなく、ユーザー体験型の広告は、多くの企業が注目しているコンテンツです。

VR技術の将来的な市場

リサーチ企業であるIDC Japan株式会社の調べによると、2022年ではVR市場は1.8兆円を記録しました。2023年までには、2兆円規模まで成長することが予想されており、2018年からの成長率を計算すると、78.3%も上昇する見込みです。

今後2026年までには、さらなる成長が見込まれており、6.9兆円まで市場が成長することが期待されています。メタバースの世界市場の規模は、総務省が公表している令和4年度情報通信白書では2021年で4兆2,640億円、2030年には78兆8,705億円にまで急拡大するとされています。

背景には、次世代通信の環境が整ったり、ユーザーインターフェイスやユーザーエクスペリエンスが向上したことがあげられます。

これまでのVRは、ゲーム業界での活躍が目立っていましたが、現在では製造業界での導入が全体の1/3を占める結果になっています。VR導入による生産性の向上から、今後は教育機関や企業における社員研修の場でも活用される動きが見込まれています。

今後の市場推移を考えると、VRスキルを開発できるエンジニアは転職市場でも有利に企業を選べる可能性が高いといえます。

VRでよくある質問まとめ

VRとは？

VRとは、Virtual Reality（バーチャルリアリティ）の略称であり、コンピュータ技術で現実世界のような仮想空間を作り出す技術です。VR専用ゴーグルやHMD（ヘッドマウントディスプレイ）を着用して、仮想空間を自由に楽しむことができます。パソコンやゲーム機と接続して使用するタイプや、スマートフォンをセットするタイプのゴーグルなどもあります。詳しくはこちらにジャンプ。

VR技術が活用されている業界は？

VR技術はゲーム業界や映像コンテンツなどの業界で活用されているケースが目立ちます。それ以外にも、以下の業界で導入されています。

• スポーツ業界
• 医療業界
• 建築・製造業界
• 広告業界

詳しくはこちらにジャンプ。

VR・AR・MRの違いとは？

VRとは、仮想空間であるVirtual Reality（バーチャル・リアリティ）です。ARとは、Augmented Reality（アグメンティッド・リアリティ）の略称であり、拡張現実と呼ばれています。サングラス型のARグラスやスマートフォンなどを利用して、リアルタイムの現実世界にデジタル情報を組み合わせて投影する仕組みです。MRは、Mixed Reality（ミックスド・リアリティ）の略称で複合現実と呼ばれます。AR技術を改良したコンテンツであり、デジタル情報をタップして操作することが可能です。詳しくはこちらにジャンプ。

まとめ：VRはさまざまな業界で注目されているのでVRスキルは転職でも有利

VR技術を導入する動きは幅広い業界で見られるため、VRを開発できるエンジニアは転職市場において高く評価される傾向にあります。VRをいち早く取り入れた業界はゲーム業界ですが、現在では多くの業界でさまざまな企業がVRの導入を検討している状況。

VRの将来性や需要を考えると、これから開発実績やスキルを習得するのはおすすめといえます。VRエンジニアを目指す方は、ぜひ今回の内容を参考にしてWEB3業界でのキャリアアップに活かしてください。

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