Webエンジニアの皆さんの中には、さまざまな理由から転職したいと考えている方もおられるのではないでしょうか。
しかし実際には、「Webエンジニアはどんな転職先がおすすめか?」「そのために準備することは?」と疑問や不安があって迷っているケースが多いかもしれません。
そこで今回は、Webエンジニアの転職について解説します。とくに、おすすめの転職先や転職に向けて準備することについて詳しく掘り下げるので、ぜひ参考にしてください。
こちらの記事でWebエンジニアになる方法について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
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Webエンジニアが転職を考え始める理由は?
まずWebエンジニアが転職を考える理由についてみていきましょう。
具体的には、以下の4点が挙げられます。
- 仕事にやり甲斐を感じない
- 拘束時間が長すぎる
- スキルアップができず不安
- 収入をアップさせたい
仕事にやり甲斐を感じない
夢や理想をもってWebエンジニアになったものの、実際に働いてみると想定とは大きく異なり、やり甲斐が感じられないケースがあります。
Webエンジニアは、フロントエンドやバックエンドなど、人によって得意分野がまちまちで幅広いため業務が属人化しやすい特徴があります。すると自分にばかり複数の業務が押し付けられてプレッシャーやストレスがたまることがあるでしょう。懸命に作業してもダメだしが続いたり、自分の考えとは異なる指示ばかり受けたりすると、嫌気がさしてくるかもしれません。
そんな理想と現実のギャップが苦になり転職を望む場合があります。
拘束時間が長すぎる
Webエンジニアは納期を厳守しなければなりません。最近主流のアジャイル開発の現場では多いことですが、方向性が定まらない中で見切り発車する案件があると修正業務が度重なることもあります。
すると残業や休日出勤など拘束時間が長くなり、プライベートを楽しむ余裕がなくなって転職を考える人もいるのです。
スキルアップができず不安
IT業界は、経験が非常に重視されます。ところがルーティンワークばかりが続くとスキルアップができず、不安に陥ることもあるでしょう。
Web開発以外に、将来性がありそうな新たな職種や技術が登場してくるとこのままで良いのか焦って、転職した方が良いのではと迷うケースがあります。
収入をアップさせたい
職業情報提供サイト「jobtag」によると、Webエンジニアの平均年収は約550万円となっています。他業種に比べると高めかもしれませんが、IT業界でみると必ずしもそうとは言えません。需要が大きい分野では、同じレベルの能力・スキルであっても2~300万の大きな年収差がつくことも珍しくありません。
実力によって個人差があるため、5年目でも年収が500万に届かないWebエンジニアも多くいます。するともっと高い収入が得られる仕事に代わりたいと望むことがあるのです。
Webエンジニアのおすすめ転職先7選
Webエンジニアにおすすめの転職先について解説しましょう。
具体的には以下の通りです。
- フルスタックエンジニア
- メタバースエンジニア
- ブロックチェーンエンジニア
- アプリエンジニア
- プリセールス
- ITコンサルタント
- 社内SE
フルスタックエンジニア
Webエンジニアが、まるっきり異なる職種ではなく、その延長というイメージでステップアップ転職をするならフルスタックエンジニアがおすすめです。
フルスタックエンジニアは、Web開発の全域にわたる知識とスキルを有するプロフェッショナルです。具体的には、以下のような製品開発の全プロセスに関わる能力を指します。
- プロダクトの企画・要件定義
- UI/UXの設計
- フロントエンド及びバックエンドの開発
- データベース管理
- インフラストラクチャーの構築と運用
上記のようなオールラウンドな能力を持つエンジニアは、チーム内でのコミュニケーションの架け橋となり、プロジェクトを円滑に進める上で不可欠な存在です。
フルスタックエンジニアへの転職は、現在のWebエンジニアリングの知識を活かしつつ、さらに幅広い技術領域に挑戦し、自身のスキルセットを拡充する絶好の機会を提供します。例えば、フロントエンド技術だけでなく、サーバーサイドのプログラミング、クラウドサービスの活用、セキュリティ対策など、多岐にわたる技術を習得することが可能です。
このような多様なスキルは、転職市場においても高い価値を持ち、年収1,000万円を超えるような高収入のポジションに就く可能性を秘めています。
さらに、フルスタックエンジニアには、プロジェクト全体を俯瞰し、各フェーズの連携を効果的に管理する能力も求められます。この能力は、プロジェクトマネジメントのスキルと直結し、将来的には技術リーダーやプロジェクトマネージャーへのキャリアアップにもつながります。
メタバースエンジニア
将来性のある次世代型の職種としてメタバースエンジニアへの転職もよいでしょう。Webエンジニアからメタバースエンジニアへの転身は、確かに高度な学習と技術習得を要しますが、その努力は大きな報酬につながります。メタバースエンジニアリングの分野では、特に先進的な技術を扱うため、高い専門性が報酬として反映される傾向にあり、成功すれば年収が大幅にアップする可能性があります。
メタバースエンジニアリングは、現代のテクノロジー業界において注目を集める最前線の職種として、多大な将来性を秘めています。この分野は、デジタルと物理世界の境界を曖昧にすることで、全く新しいユーザー体験を創出することを目指しています。メタバースエンジニアとして活躍するには、以下のような幅広い分野にわたる技術的知識とスキルが必要とされます。
- ゲーム開発
- アプリケーションの設計・開発
- インフラストラクチャの構築と運用保守
特に、メタバースの世界では、拡張現実(AR)と仮想現実(VR)技術が中心的な役割を果たします。これらの技術によって、ユーザーは現実世界を超えた、没入型のデジタル体験を享受することが可能になります。また、3DモデリングやAI技術もメタバースの開発には不可欠であり、これらを駆使してリアルタイムでインタラクティブな環境を構築する能力が求められます。
まず、現在のWeb開発スキルを基盤としながら、AR・VR技術や3Dモデリング、さらにはAIに関する深い理解と知識を身につけることが重要です。オンラインコースやワークショップ、実践的なプロジェクトを通じて、これらの技術領域におけるスキルを磨くことが推奨されます。
こちらの記事でメタバースエンジニアの仕事内容、年収相場について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
ブロックチェーンエンジニア
ブロックチェーンエンジニアは、現在の技術革新の波において非常に注目されているキャリアパスです。この分野は、ブロックチェーン技術を基盤として、新しいタイプの分散型台帳技術の開発及びその応用に関わる仕事です。
ブロックチェーン技術は、以下のように多岐にわたる業界での活用が進んでおり、その需要は増加の一途をたどっています。
- 暗号資産(仮想通貨)
- 電子決済サービス
- フィンテック
- デジタルゲーム
- サプライチェーン管理
- 製造工程の透明性向上
最近ではメタバースとの親和性も高く、仮想世界における資産の所有権を保証する技術としても期待されています。これらの分野においてブロックチェーン技術が果たす役割は、今後さらに拡大することが予想され、それに伴い、ブロックチェーンエンジニアの需要も高まります。
ブロックチェーンエンジニアへの転職は、テクノロジーと社会の未来を形作る上で中心的な役割を担う、挑戦的かつ報酬の高いキャリアオプションです。この分野での成功は、継続的な学習とスキルの向上、最新技術のトレンドへの敏感さ、そして革新的なアイデアを実現するための情熱が鍵となります。
こちらの記事でブロックチェーンエンジニアの仕事内容、年収相場について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
アプリエンジニア
アプリエンジニアのキャリアは、技術的なスキルだけでなく、創造性やユーザーとのコミュニケーション能力を活かすことで、大きな達成感とプロフェッショナルな成長を得られる道です。自分が関わった製品が実際に使われることへの喜びは、この職種を選択する大きな動機となり得ます。
アプリエンジニアとして活躍するには、単にプログラミングスキルを持つだけでなく、ハードウェア、ネットワーク、データベース管理といった、アプリケーション開発における幅広い知識が必要とされます。この多様な技術的背景を持つことで、開発プロセスの全工程にわたって中心的な役割を果たすことができます。
アプリエンジニアとして成功するためには、最新のプログラミング言語や開発フレームワークに精通していることはもちろん、ユーザーエクスペリエンス(UX)設計の原則やアクセシビリティの標準など、ユーザー中心の開発を心がけることが重要です。さらに、チームで働く上でのコミュニケーション能力や、プロジェクト管理のスキルも不可欠です。
プリセールス
インフラやシステムの構築、ソフトウェアなどの販売や導入にあたり、営業に代わって技術的なサポートを行うのが主な仕事です。
エンジニアとしての知識を活用してクライアントが抱く課題に対する解決策を提案するとか、クライアントからの質疑に応答するといった役割を担うケースもあります。
Webエンジニアと比べると、多くの人たちと交流しながら仕事ができる点が魅力でしょう。
ITコンサルタント
企業の経営戦略をバックアップするITシステムの導入計画を策定したり、問題を見つけて分析・解析のうえ、解決に導く手法やツールを提案したりする仕事です。
高いITスキルに加えて、コミュニケーション能力や英語力があると活躍の場が広がり、それに伴って年収もアップしていきます。
社内SE
社内SE(システムエンジニア)は、企業内の情報システムの構築、運用、保守を担当し、組織のITインフラを支える重要な役割を果たします。この職種では、以下のような多岐にわたる技術的知識が必要とされます。
- ハードウェアやソフトウェアの管理
- セキュリティ対策
- データ管理
- ネットワーク構築
社員からの問い合わせに対応するヘルプデスク業務も含まれるため、コミュニケーションスキルも同様に重要です。
社内SEは、組織内でのITサポートの提供者としてだけでなく、ビジネスプロセスの効率化やセキュリティ強化を通じて、企業の成長と発展に直接的に貢献することができるポジションです。この職種を選ぶことで、技術的な専門知識を活かしながら、組織全体の効率向上に貢献することの達成感を味わうことができます。
絶えず変化するIT環境の中で、学習意欲を持ち続け、新しい技術を積極的に取り入れることが、社内SEとしてのキャリアを充実させる鍵となります。
こちらの記事で社内SEへの転職事情について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
Webエンジニアが転職までに準備すべき6つのポイント
続いて、Webエンジニアが転職するにあたって準備することについて解説します。Webエンジニアの転職活動は、ただ次の職場を見つけるだけではなく、自身のキャリアと生活の質を向上させるための重要なステップです。
場当たり的に動いてもよい転職先に出会える確率は低いです。計画的に準備してこそ、後悔のないよい結果につながるので、しっかりとチェックしてください。
転職の目的を明確にする
まず、転職する目的を自分の中で明確にすることが大切です。面接の際も必ずと言ってよいほど質問されるのがこの点です。これがはっきりしていなければ、満足のいく転職活動は難しいでしょう。重要なのは、現状自己分析と優先順位です。
現状分析
自分が何を求めているのかを深掘りしましょう。現在の職場で満たされていないニーズは何か、キャリアで実現したい目標は何かを具体的にリストアップします。
優先順位の設定
年収、仕事内容、勤務地、勤務時間、企業文化など、転職において重視する要素を明確にし、それらの優先順位を決めます。全ての条件を満たす職場が見つかるとは限りませんので、譲れないポイントと妥協点をはっきりさせることが大切です。
心身ともに良好な状態に整える
転職活動に際しては、心身ともに健やかで元気であることが大切です。
転職を決断するまでに、Webエンジニアとして悩み、苦しみ、疲弊しきってしまうことが少なくありません。そうなる前に転職できれば理想ですが、口で言うほど簡単ではないのが現実でしょう。
体調に問題があればしっかりと治療をすることです。それ以上にメンタルを整えることも不可欠です。
人間関係のもつれや、業務上のミス、成果が出ないことによる劣等感や後悔など、人には言えない思いやトラウマがあるかもしれません。しかしそれらを引きずっていては、次に進むことが難しくなるでしょう。
しっかりと気持ちの整理をし、明るく笑顔で面接に臨み、自身を「こんな人となら働いてみたい!」と思ってもらえる状態に持っていくことが大変重要です。
自己分析とポートフォリオを作成する
転職を成功させるためには、正しい自己分析も大切です。自身が持っているスキルと経験を整理し、ポートフォリオに反映させます。ポートフォリオには以下を含めましょう。
- 過去の実績(プロジェクトの内容や結果、規模、担当業務などを具体的に)
- 過去に自作したアプリなどのプロダクト
- スキルセット(プログラミング言語、資格など)
- アウトプット(GitHub、Quitaなど)
特に、最新のプロジェクトや達成した成果については、具体的な数値や成果物を用いて説明すると良いでしょう。
目指す職種によって向き不向きは必ずあります。自分がしたい仕事と、適している仕事は別であることも少なくありません。そこを履き違えると、転職したあとで再び後悔する可能性があります。
転職先の業界や職種について勉強する
自分が転職を希望する業界や職種、企業についてよく勉強することも大切です。
転職したい分野の最新トレンドや求人市場の状況を把握しましょう。業界イベントやセミナーに参加する、専門家のブログや記事を読むなどして情報を収集します。
既存のネットワークを活用するだけでなく、新たな人脈を構築することも重要です。LinkedInなどのプロフェッショナルネットワークを活用し、業界のプロフェッショナルとつながり、情報交換を行いましょう。
どのような仕事も良い面とそうでない面が必ずあります。ただ理想だけを追いかけていても、それを満たせる仕事は世の中のどこにもないでしょう。短所があってもそれを上回る長所や魅力があるのか、あるとすればどのような点かについて納得いくまで調べましょう。
そのうえで疑問があれば、それが解消するまでさらに追及していく姿勢が大切です。
必要スキルの習得
転職したい分野やポジションに必要なスキルが現在のスキルセットに欠けている場合は、転職活動を開始する前にそのスキルを身につける努力をします。オンラインコースやセミナー、実践的なプロジェクトを通じて学ぶことができます。
転職エージェントに登録する
Webエンジニアの転職には、専門のエージェントの活用をおすすめします。多くの企業がエージェントを通じて中途募集しているからです。
上記の、転職の目的や自己分析、業界事情などは、自分一人ではよくわからないケースが多いものです。それは恥ずかしいことではありません。転職は人生の一大イベントですから、不安や心配はつきものです。自信がもてないこともあるでしょう。
その辺りのこともプロのエージェントに相談できるため、一人で動くより非常に心強いです。
Webエンジニアの転職でよくある質問まとめ
- 多くのWebエンジニアが転職を考え始めるきっかけは?
-
- 仕事にやり甲斐を感じない
- 拘束時間が長すぎる
- スキルアップができず不安
- 収入をアップさせたい
- Webエンジニアが転職を検討し始めたらまずすべきことは?
-
まず、転職する目的を自分の中で明確にすることが大切です。面接の際も必ずと言ってよいほど質問されるのがこの点です。これがはっきりしていなければ、満足のいく転職活動は難しいでしょう。そして、転職活動に際しては、心身ともに健やかで元気であることが大切です。転職を希望する業界や職種、企業についてよく勉強することも大切です。
まとめ
Webエンジニアの転職は、多様な職種への道が開かれているため、無限の可能性を秘めています。しかし、その豊富な選択肢から自分にとって最適な職場を見つけ出すためには、戦略的な準備が不可欠です。
転職活動は一朝一夕にはいかないものですが、一歩一歩確実に準備を進めることで、理想の転職先に近づいていくことができます。今日からでも、新たなキャリアに向けての一歩を踏み出し、将来への道を切り拓いていきましょう。自分自身の可能性を信じ、転職活動に臨むことが、新しい扉を開く鍵となります。
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