今や多くの業界において的確なデータ分析が、重要な意思決定に大きく寄与するのは言うまでもありません。よって、その担い手となるデータサイエンティストへのニーズは増すばかりです。データサイエンスの歴史は比較的浅いため、すでにデータサイエンティストとして働いている皆さんがフリーランスになれば、その活躍の場はグンと広がるに違いありません。
こちらの記事でデータサイエンティストの仕事内容、将来性について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
しかし、実際に独立しようと思うと、「案件は獲れるの?」「収入は?」「自分のスキルで大丈夫?」といった疑問や不安が頭をよぎる方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、フリーランスのデータサイエンティストをおすすめする理由や必要なスキル、なるまでのステップ、さらに案件獲得方法について詳しく掘り下げます。
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データサイエンティストでフリーランスがおすすめの4つの理由
データサイエンティストでフリーランスとして働くメリットについて解説します。具体的には以下の4点になります。
- データサイエンティストが不足している
- 案件が多い
- 年収アップが期待できる
- 公私ともに自由度が増す
データサイエンティストが不足している
ビッグデータを収集のうえ、加工、分析を行い、的確な戦略立案や価値創造ができるデータサイエンティストは、全体のニーズに対して大幅に不足しています。そのため、データサイエンティストは完全な売り手市場といってよいでしょう。
データサイエンティストには広範囲における専門的な知見とスキルが求められるので、だれもが容易になれるものではありません。しかしデータへの依存度が飛躍的に高まっているなか、ビジネスの世界においてデータサイエンティストの市場価値は増す一方です。
よって多くの企業間で、優秀なデータサイエンティストの争奪戦が繰り広げられているのです。この状況において実践力に長けたデータサイエンティストがフリーランスになれば、活躍の場が広がるのは言うまでもないでしょう。
こちらの記事でデータサイエンティスト以外に需要が急増しているフリーランスエンジニアの種類について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
求人案件が多い
弊社でもデータサイエンティスト向けのフリーランス案件数は上昇傾向にあります。
新商品開発や新規事業の立ち上げに、ビッグデータの分析や解析、その結果を活用した戦略立案は不可欠です。エンジニア要素をもちながらコンサルタントとしての役割を有するデータサイエンティストの存在価値は極めて高く、多くの企業から拠り所とされているといってよいでしょう。
年収アップが期待できる
フリーランスデータサイエンティストの平均年収は、増加傾向にあります。弊社に問い合わせのある案件を見ると、月給は60〜100万円前後のものが多くを占め、中には120万円と非常に高額なものも見られます。これらを年収に換算すると780〜1,440万円になります。
データサイエンティストの年収は一般的なITエンジニアの平均年収よりも高い傾向にあります。厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によると、データサイエンティストの令和3年全国平均年収は531.9万円です。ただし、これには駆け出し間もないデータサイエンティストも含まれます。そのため、フリーランスとして独立できるレベルのデータサイエンティストの平均年収はさらに高く、700万円あたりが実効的な相場でしょう。
フリーランスになってからの方が収入がアップする可能性は非常に高いといえるでしょう。
こちらの記事でデータサイエンティストで大きく年収差が生じる理由、年収を上げる方法について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
公私ともに自由度が増す
フリーランスデータサイエンティストになると、会社員に比べて公私の両面で自由度が増すと期待できます。
勤めている場合は、上司から任される案件を遂行するのが一般的です。フリーランスになると数多くの案件の中から自分が得意とするものや、相性や条件の良いクライアントを意識的に選択することが可能になります。
加えてプライベートにおいても、土日や祝日に限らず、都合に合わせて自分の裁量で休みを確保できます。すると趣味の時間やヘルスケア、育児、介護、その他、家族との時間も充実させられるので、ライフワークバランスの改善も望めるでしょう。
フリーランスのデータサイエンティストに必要な7つのスキル
フリーランスデータサイエンティストとして問題なく仕事をしていくには、多くのスキルが求められます。続いてはその具体的な内容について解説しましょう。
統計学や数学に関するスキル
フリーランスデータサイエンティストには、ビッグデータを収集、分析するための統計学や、機械学習に必要な線形代数、微分・積分といった数学についての知識が総合的に必要になります。特にフリーランスにとって、これらのスキルは、多様な業界やプロジェクトで柔軟に対応できる能力を意味します。
統計学および数学の技能は、膨大なデータセットから有意義な洞察を引き出すための基礎を構築します。具体的には、機械学習アルゴリズムの実装に不可欠な線形代数、さらに予測モデリングやアルゴリズムの最適化に用いる微分・積分といった高度な数学が求められます。
ビジュアライズスキル
独立した専門家として、ビジュアライズ(視覚化)によって、データをストーリーに起こして伝える能力は、単なる分析を超えた価値を提供し、クライアントとの長期的な関係を築くための鍵となります。
ビジュアライズスキルは、フリーランスにとってさらに重要な要素です。自分自身の分析結果をクライアントに直接的に、そして効果的に伝えるためには、高度な視覚化技術が必要とされます。
ここでの目標は、専門的なデータ分析をクライアントが直感的に理解できる形に落とし込むことです。わかりやすく一般化してこそビジネスに役立ち、その仕事ぶりが評価されます。
マーケティングスキル
フリーランスであることから、マーケティングのスキルも重要です。フリーランスで働くデータサイエンティストに求められることは、単なるデータ分析にとどまりません。データ分析を超えて、クライアントのビジネス成果に直結する提案ができるかが鍵となります。こ
市場のトレンドを理解し、データに基づいた実行可能な戦略を提供する能力が求められます。マーケティングの知識は、分析結果をクライアントのビジネス目標に結びつけ、収益の向上に貢献するための重要な要素です。
提案内容や戦略によって、クライアントの商品やサービスが確実にターゲットにリーチでき、収益アップやステークホルダーの利益につながるリソースにまで昇華できてこそ、真の役割が果たせたといえるでしょう。
そのためには、マーケティングに精通し、コンサル力を高めておくのも大変重要です。分析内容が現実と乖離しており、実情や業界のトレンドを何も分かってないと勘違いされると、プロジェクトの成功はとうてい望めません。
コミュニケーションスキル
フリーランスデータサイエンティストは、単にデータに強いエンジニアでは務まりません。優れたコミュニケーション能力はフリーランスの成功に不可欠です。クライアントのニーズを的確に理解し、分析結果をわかりやすく伝えたり、新たな案件を獲得するために営業をしたりするコミュニケーションスキルが不可欠だからです。
データの専門家としてだけでなく、クライアントのニーズを把握し、分析結果を明確に伝達するためのスキルが求められます。新たな案件を獲得し、長期的な関係を築くためには、相手との信頼関係を構築することが必要です。フリーランスとしては、分析スキルと同じくらいにリレーションシップマネジメントの能力を磨くことが成功の鍵となります。
プログラミングスキル
フリーランスのデータサイエンティストとして業界で活躍するためには、プログラミングの習得が必要不可欠です。データの分析、処理、そして洗練された可視化のためには、PythonやRのような言語が強力なツールとなります。特に、AIや機械学習プロジェクトでの利便性と拡張性を考慮すると多くのデータサイエンティストがPythonの学習を推奨しています。
Pythonはその読みやすい構文と、統計や機械学習を支える豊富なライブラリで知られ、初学者にとってのアクセスのしやすさが特徴です。実際にPythonは、データサイエンティストにとって最も需要が高い言語の一つとされています。R言語については、統計分析に特化した言語であり、Pythonの基礎があるとより理解が深まります。
こちらの記事でPythonの強み、弱み、活用分野について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
BIツールについての知識
BIツールの知識もフリーランスには不可欠です。BIツールを駆使することで、データの分析から可視化、抽出、加工まで、一連のプロセスを効率的に実行できます。
例えば、Tableauはデータの視覚化において業界標準のツールであり、統計モデルの取り込みから予測モデルの構築まで、直感的な操作で可能です。このツールを習得することは、データサイエンティストとしての幅広いスキルセットを形成し、異なるバックグラウンドを持つ関係者とのコラボレーションを促進するためにも重要です。
クライアントによって用いるBIツールが異なります。フリーランスデータサイエンティストには、様々なBI(ビジネスインテリジェンス)ツールを有効活用するスキルも欠かせません。
AI(機械学習)の知識
ビッグデータを収集し、その中から有効なデータを抽出、加工することによりAIや機械学習に役立て、新たな価値創造を行うのも、フリーランスデータサイエンティストに求められる大事なスキルです。
近年、AIや機械学習へのニーズは大変な勢いで増加しているので、この分野が得意だと高単価な案件を間違いなく受注しやすくなるでしょう。AIにおける専門知識は、データドリブンのインサイトを提供し、クライアント、そして自身のビジネスの成長を加速させるために不可欠です。
フリーランスデータサイエンティストになるまでのステップ
フリーランスデータサイエンティストになるには、どのようなプロセスを踏んでいけばよいのでしょうか。続いては、その過程を以下4つのステップに分けて解説していきましょう。
- 実務経験を積む
- 副業案件をこなす
- 人脈を広げる
- 初期資金と運転資金の余裕を見て独立する
実務経験を積む
フリーランスデータサイエンティストを目指すなら、少なくとも3年以上の実務経験が必要でしょう。また、実務経験を裏付ける資格を取っておくのも有効な手段です.
こちらの記事でデータサイエンティストとして働くうえでおすすめの資格について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
クライアントからフリーランスデータサイエンティストに求められる能力は非常に高レベルなものが多いです。新規ビジネスや新商品の起点ともなる重要度の高い意思決定について、明確な指針やサポートを提供しなければならないからです。
そのため、経験不足は他を頼れないフリーランスにとって命取りといってよいでしょう。とくに近年、注目度の高いAIや機械学習関連のテクノロジーは日進月歩で、トレンドも流れが早いので、しっかりとした知識と経験に裏付けられたスキルがなければキャッチアップできません。
実務経験が不足していると独立して後悔することになりかねないので、できるだけ即戦力が身に付く職場を選択する必要があるでしょう。ただし、最初の職場の選択いかんによっては、データサイエンティストとして実績を積む前に過重な労働と責任でつぶされる危険性もあるので注意しましょう。
こちらの記事でデータサイエンティストの仕事がきつくなってしまう環境と条件について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
副業案件をこなす
データサイエンティストとしてある程度の実力がついたと感じたら、次は環境が許す範囲で、本業以外に副業案件をこなしましょう。
最初は、経験が浅くてもできる簡単な業務で構いません。無理して難易度の高い案件を受注するより、確実にこなせるものを納品して信頼を得る方が上です。徐々にレベルを上げ、違う業界のものや高いスキルが求められるものを試しながら高額案件を増やしていけるとよいでしょう。
こちらの記事でデータサイエンティストの副業案件の探し方について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
人脈を広げる
本業や副業を通じて社内外に一人でも多くの人脈をもっておくと、先々大きくものを言うでしょう。副業でもネットワークを広げて多方面との繋がりを構築しておくことで、フリーランスになったときに仕事を回してもらえる可能性が高まります。
フリーランスデータサイエンティストとしての成功は、好条件の案件をいかに効率よく獲得できるかにかかっています。限られた相手だけだと、そこがダメになったときが大変でしょう。複数のクライアントから満遍なく高額案件をもらえるように、誠実かつ確かな仕事ぶりで信頼と実績を確実に積み上げてください。
初期資金と運転資金の余裕を見て独立する
フリーランスとして仕事を始めるには、初期資金と運転資金が必要です。高度な案件に耐えうるスペックをもつパソコンや通信環境のための準備資金、税金や社会保険料の支払い、交通費や交際費と思いのほかコストがかかってきます。自宅以外のスペースを借りるなら、その賃料や光熱費も必要でしょう。
かといって最初から借金を背負うのはおすすめできません。少なくとも6カ月から1年先くらいまでの収支を厳し目に見積もり、予定通りに受注できなくても経済的な行き詰まりを起こさないだけの資金を貯蓄してから独立しましょう。
フリーランスデータサイエンティスト案件の見つけ方
次は、フリーランスデータサイエンティストとして案件を獲得できる3つの方法を紹介しましょう。
エージェントを活用する
もっともおすすめするのが、エージェントです。自分で営業をしなくとも多くの企業からの案件をエージェントが仲介してくれるので効率的に仕事が見つけやすくなります。高単価な案件が多いですし、非常に案件数も豊富なので、独立直後で仕事があるか不安な時の心強い味方となるでしょう。
エージェントによっては、仕事のしかたについて相談ができたり、健康診断などの福利厚生、確定申告の指南といったサービスを提供したりしているケースもあるため、ぜひ積極的に活用してみてください。
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クラウドソーシングを活用する
スマホからアカウント登録するだけで、その日からでも案件が獲れるクラウドソーシングもあります。エージェントに比べると案件数や条件のうえで劣りますが、一件でも多く仕事を獲りたいとか、閑散期の繋ぎとして役に立つでしょう。
SNSやブログを活用する
自身のSNSやブログに実績やポートフォリオを掲載しておくと、それを見たクライアントから直接オファーがくることもあります。その際は、どんな業務が得意か、経験も含めてできるだけ詳しく記載しておくのがポイントです。
未経験からでもデータサイエンティストのフリーランス案件を取れる?
未経験からフリーランスのデータサイエンティストになるのは、かなり困難でしょう。仮に案件が獲得できるとしても、難易度の低いものがほとんどと理解してください。よって単価も低く、独立して生計を立てていくにはほぼ不可能といってよいでしょう。
企業がデータサイエンティストに求める課題は、重要な意思決定を裏付ける高精度かつ説得力のあるデータ分析力です。それを提供する実力と実績がなければ、信頼を得るのは難しいでしょう。
フリーランスのデータサイエンティストでよくある質問まとめ
- フリーランスのデータサイエンティストで働くメリットは?
-
- データサイエンティストが不足している
- 案件が多い
- 年収アップが期待できる
- 公私ともに自由度が増す
- フリーランスのデータサイエンティストに必要なスキルは?
-
- 統計学や数学に関するスキル
多様な業界やプロジェクトで柔軟に対応できる能力 - ビジュアライズスキル
わかりやすく一般化してこそビジネスに役立ち、その仕事ぶりが評価されます。 - マーケティングスキル
データ分析を超えて、クライアントのビジネス成果に直結する提案ができるかが鍵となります。 - コミュニケーションスキル
クライアントのニーズを的確に理解し、分析結果をわかりやすく伝えたり、新たな案件を獲得するために営業をしたりするコミュニケーションスキルが不可欠 - プログラミングスキル
PythonやRのような言語が強力なツールとなります - BIツールについての知識
様々なBI(ビジネスインテリジェンス)ツールを有効活用するスキルも欠かせません。 - AI(機械学習)の知識
データドリブンのインサイトを提供し、クライアント、そして自身のビジネスの成長を加速させる
- 統計学や数学に関するスキル
まとめ
データサイエンティストは、完全な売り手市場で、今後もその傾向はさらに強まると見て間違いありません。そのため、しかるべき実績と経験を積んで独立すれば、高単価な案件を受注することも十分に可能です。
現在データサイエンティストとして勤務している方、その経験者や勉強中の皆様も、必要スキルを習得して、フリーランスに向けた準備を始めてはいかがでしょうか。焦らず確実に研さんを積んでいけば、あなたにしかできない素晴らしい仕事が待っていると期待してよいでしょう。
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