生成AIの進化はとどまることを知りません。この記事では、特に人気の高い画像生成サービス「Midjourney」について取り上げます。
Midjourneyは、だれでもアカウントを作成すればすぐに利用でき、プロが時間をかけて描くようなクオリティの高い画像が、あっという間に作成できます。
そこで今回は、Midjourneyの基本的な説明に加え、メリットやデメリット、始め方や使い方、料金プランについて解説します。画像作成のコツも紹介するので、本記事を読めばビジネス利用も含めてMidjourneyへの理解が深まるでしょう。ぜひ今後の参考にしてください。
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Midjourneyとは?
Midjourney(ミッドジャーニー)は、キーワードを入力するだけでAIが自動的に画像を生成するサービスです。今やAI画像生成サービスを使って作成される作品数は、世界中で1日に数千万枚以上といわれますが、その筆頭ともいえる人気サービスの一つです。
他の画像生成AIサービスには、Stable DiffusionやDALL-Eシリーズがあります。
こちらの記事でStable Diffusionの使い方、特徴について詳しく解説していますので併せてご覧ください。Dall-E 2の仕組みはこちらをご覧ください。Midjourney、Dall-E 2、Stable Diffusionをこちらで一括比較しています。
その魅力は、だれでも描きたい画像をイメージさせる簡単なテキストを入力するだけであっという間にプロに負けない完成度の高い画像が描ける点です。たった1分前後の時間で実現できます。
個人で楽しむのはもちろんですが、プロのクリエーターの利用も想定されており、すでに多くのアーティストや企業がサービスを利用し始めています。25枚程までなら無料で画像生成できますし、定額料金を支払うことで制限なく利用することもできます。
Midjourneyの仕組み
Midjourneyは、与えられたキーワードをもとに文章や画像、音声、プログラムコードといったコンテンツを作成することができる「生成(ジェネレーティブ)AI」に区分されます。AIは大量のデータの学習を繰り返すことにより、事象の予測や画像認識、音声認識、異常検知、自動運転など、さまざまな領域で活用されています。
Midjourneyの仕組みは、プロンプト(通称:呪文)といわれるテキスト形式の指示を与えると、それをもとにAIが画像を自動制作するようになっています。例えば、「桜が美しく咲き誇る春の丘」の絵を仕上げたければ「spring ,cherry blossom ,hill(=春 桜咲く 丘)」などと入力するとわずか1分前後で条件に沿ったテーマの画像が4枚出来上がります。
気に入る作品がない場合は、さらにアレンジを加えたり、似たようなキーワードを入力して作り直したりすることも可能です。絵のタッチを変えたければ、「アニメ風」「デジタル風」「写真のような」といった具合にイメージに近いワードやパラメーターを加えると、同じキーワードでも雰囲気の異なる作品が表示されます。
Midjourneyのプロンプト
Midjourneyは優れた技術を駆使して、適切なプロンプトが選ばれた場合、高品質な作品を生成します。この理論は、プロンプトに詳細な情報を詰め込むことで、理想的なイメージに近い作品が生まれるはず、という考えに基づいています。
こちらの記事で安定した出力を引き出すためのプロンプトエンジニアリングとは何なのか詳しく解説していますので併せてご覧ください。
しかし、現実はそう単純ではありません。あまりにも多くの情報がAIに投入されると、AIはその情報を適切に処理できない事例が見られます。これは、AIが混乱するというよりは、AIが情報を解析し、それをクリエイティブな作品に変換するプロセスに障害が生じるためです。
この結果、期待とは大きく異なる、思いがけない作品が生成されることがあります。この不確実性を楽しむ使い方もありますが、たいていの場合は出力の不確実性はリスクとなるでしょう。
AIが理解しやすいキーワードを適切なバランスで選択することが、作品の品質を決定する重要な要素です。このプロンプト作成スキルを身につければ、年齢や経験、技術力に関わらず、優れた作品を生み出すことが可能です。
こちらの記事で生成系AIの企業活用に欠かせないプロンプトエンジニアの仕事内容を詳しく解説していますので併せてご覧ください。
Midjourneyを使うメリット
Midjorneyを使うメリットとしては、主に以下の5つが挙げられます。
- 誰でもクオリティの高い画像が作成できる
- 時短が実現する
- NFTなどでの商用利用も可能
- ブランディングの精度がアップする
- NFTなどの商用利用も可能
それぞれについて解説しましょう。
誰でもクオリティの高い画像が作成できる
Midjorneyは、パソコンとインターネットが利用できる環境さえあれば、誰でも無料で始められます。しかもテキストでプロンプトを入力するだけで自分が思い描くイメージに合った複数枚の画像(プランによっては無制限)を作成することができます。
そのクオリティは、美術大学の学生やプロの画家たちが数日をかけて仕上げる作品と遜色ありません。そのため、世界中のクリエイターたちに大きな衝撃を与えました。作品には、構図や色使い、ディテール、コントラスト、アクションラインなど、上質な絵を描くために必要な要素が十分に備わっています。
通常、クオリティや価値の高い絵画作品は、構想や取材に時間がかかります。人が手がける以上、途中で詰まったり、満足できずにやり直したりすることも珍しくありません。しかし、Midjorneyでは、世界中の大量のアート作品などが学習データとして使用されており、与えられたテーマに基づいて類似の要素を組み合わせて作品を生成するだけです。
時短が実現する
Midjorneyを活用すれば、一つの作品をわずか1分程度で完成させることができます。もちろん気に入らなければ、何度も作り直したり、修正したりといった作業があるため、実際は1分で完了というわけにはいかないかもしれません。
しかしこれを差し引いても、クリエイターたちが制作に費やす時間と比べると、はるかに短い時間で作品を仕上げることができます。よって、大幅な時間短縮が実現されると言えるでしょう。
斬新なアイデアが得られる
Midjorneyは、膨大な数の画像データを学習しています。そのため、同じテーマで作品を制作する場合でも、自分ではまったく思いつかない斬新なアイデアが盛り込まれていることは珍しくありません。それによって作品に多様性が生まれ、用途を広げることができるのも、大きなメリットと言えるでしょう。
NFTなどでの商用利用も可能
Midjorneyで作成された画像は、有料プランに限り商用利用することができます。NFT(非代替性トークン)を作成することもできるので、それをマーケットプレイスで販売すれば収益を得ることができます。広告からブログ、SNS、雑誌など、様々なメディアで利用でき、幅広い用途が考えられます。
こちらの記事でNFTの仕組み、活用事例について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
ブランディングの精度がアップする
Midjorneyはビジネス利用できるため、質の高い企業ロゴやキャラクターデザインの作成も可能です。プロンプトを工夫することで、どこにもないオリジナリティに富んだコンテンツを開発することもできるでしょう。
それにより、企業のイメージ戦略や様々な商品やサービスのブランディングを高い水準に引き上げる効果が期待できます。ただし、Midjorneyで作成された画像は、有料プランに限り商用利用可能です。
Midjourneyのデメリット
続いて、Midjorneyのデメリットを見ていきましょう。具体的には以下の3点が考えられます。
- コストがかかる
- 理想に近づけるのに手間と時間がかかることがある
- 日本語が使えない
それぞれについて解説します。
コストがかかる
Midjorneyは、大量の画像を生成したり、ビジネスで活用する場合にはコストが発生します。25枚までなら無料で利用できますが、商用利用はできないため不便に感じることがあるかもしれません。
理想に近づけるのに手間がかかることがある
Midjorneyを利用して、自分が理想とする作品が簡単に作成できるとは限りません。作品の品質が高くても、期待したイメージとマッチするかは別の話です。
そのため、プロンプトの追加や削除、解像度の調整などの作業を繰り返すことで、完成までに予想以上の時間がかかる場合もあります。継続的に商用利用する企業では、プロンプトエンジニアのチームを新たに作る企業も少なくありません。
こちらの記事でプロンプトエンジニアの仕事内容、将来性について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
日本語が使えない
Midjorneyはプロンプトに日本語が使えません。英語での入力が必要となるため、英語が苦手な方にとっては使いにくさを感じる可能性があります。
ただし、プロンプトは単語や短いセンテンスを入力するだけで十分です。翻訳ツールを活用すれば多くの方は問題なく利用できるため、過度に心配する必要はありません。ちなみに翻訳する際は、「DeepL翻訳ツール」やChatGPTがおすすめです。
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Midjourneyの始め方・使い方
それではここから、Midjorneyの始め方と使い方を紹介します。
Discordに登録する
Midjorneyを利用するためには、まずDiscordに登録する必要があります。Discordとは、世界中のエンジニアやゲームプレイヤーが多用するチャットツールのことで、だれでも無料で登録できます。
Discordに未登録の方は、公式サイトにアクセスし、トップページ右上の「Login」をクリックします。遷移画面でメールアドレスまたは電話番号およびパスワードを入力してログインしてください。
ログインが済んだらMidjourney公式にアクセスし、トップ画面の「Join the beta」をクリックします。
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MidjourneyとDiscordを連携する
Midjourneyから招待が届くので、Discordにログインしたまま画面中央の「招待を受ける」をクリックして招待を受け入れます。するとMidjourneyとDiscordの連携が完了します。これで画像が生成できます。
Midjourneyへのアクセス
Midjourneyへのアクセスは、無料版の場合は常にDiscordからとなります。具体的には、Discordのチャットルームに入力したプロンプトをMidjourneyが認識し、画像を生成します。有料版はDM(ダイレクトメッセージ)から直接プロンプトを入力することができます。
画面左の「NEWCOMER ROOMS」の「newbies-〇〇〇(数字)」のうち、〇〇〇に数字が入っているものならどれでも好きなものを選択できます。
画像を生成する
画面下部のメッセージ入力欄に「/imagine」と入力するとすぐ上に「imagine prompt」という表示が現れます。ここに好きなプロンプトを入力すると、画像生成がスタートします。
画像は一度に4枚ずつ表示されます。画像下に「U1」「U2」「U3」「U4」が表示されますが、それぞれ順に「左上」「右上」「左下」「右下」の画像を表しています。
気に入った画像の「U〇」をクリックすると、高画質化されます。その画像が気に入った場合は、さらにクリックして拡大し、右クリックから「画像を保存する」を選択してダウンロードしてください。
下記は、実際にDiscord上で画像を生成した際のサンプルです。
画像を修正する
画像のニュアンスに修正を加えたい場合は、プロンプトの最後尾にパラメータを付け加えます。代表的なものをいくつか紹介しましょう。(パラメータはこれ以外にも多くあります。)
パラメータ | 概要 |
---|---|
-c〇〇 | 画像に「特異な変化」をつけるもので、〇〇のところに1〜100の数字を入力します。 デフォルトは0で、数字が高くなるほど「特異ぶり」が増します。 トリッキーな画像にしたい場合におすすめです。 |
-s〇〇 | よりアーティスティックなタッチに変化させるパラメーターです。 0、100、500、1000のいずれかを入力します。 デフォルトが100で、高くなるほどアート感が増します。 |
-niji | アニメ風にアレンジしたい場合におすすめです。 |
–no〇〇 | 〇〇の表示させたくないアイテムを入力します。 例えば「plants」と入力すると植物が画像から排除されます。 |
画像を再生成する
表示された4枚の画像がいずれも気に入らなければ、「U〇」の列の下にある「V1〜V4(各数字が示す画像はU〇と同じ)」の中から描き直してほしい画像を選んでクリックしてください。また、「U4」右横のリロードマークをクリックすると、全ての画像が入れ替わるので試してみてください。
Midjourneyの料金プラン
料金プラン | 月額料金 | 枚数 | 主なポイント |
---|---|---|---|
無料プラン | 無料 | 25 | 商用利用は不可 作成した画像は他のユーザーも自由に利用できる(実質の著作権はない) |
ベーシックプラン | 10ドル | 200 | 3ジョブまで同時生成可能 商用利用可能 |
スタンダードプラン | 30ドル | 900 | 15時間分のファストジェネレーション(高速) リラックス(低速)モードにすると作成枚数は無制限 |
プロプラン | 60ドル | 1800 | 15時間分のファストジェネレーション(高速) 12ジョブの同時生成可能 |
Midjourneyの料金プランは、上記のように4パターンからなります。年間契約の場合は月当たりの金額が20%割引されます。
商用利用したい場合は有料プランにする必要があります。作成上限枚数を超えた場合はクレジットを追加できるので、まずはベーシックプランから始めるのがおすすめです。
Midjourneyでよくある質問まとめ
- Midjourneyとは?
-
Midjourney(ミッドジャーニー)は、キーワードを入力するだけでAIが自動的に画像を生成するサービスです。今や世界中でAI画像生成サービスを使って作成される作品数は、1日に数千万枚以上といわれますが、その筆頭ともいえる人気サービスの一つです。詳しくはこちらにジャンプ。
- Midjourneyを使うメリットは?
-
Midjorneyを使うメリットとしては、主に以下の5つが挙げられます。
- 誰でもクオリティの高い画像が作成できる
- 時短が実現する
- ブランディングの精度がアップする
- NFTなどの商用利用も可能
詳しくはこちらにジャンプ。
まとめ
Midjourneyを利用することで、今からでも驚くほど簡単にプロレベルの画像を作成することができます。有料プランに登録すれば、商用利用も可能です。
低コストでブランディングの精度を高めたり、SNSやECサイトをブラッシュアップしたり、クリエーターとして質の高い仕事に取り組みたい方は、すぐにでも利用してみてください。
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また、Tech Forwardの姉妹サービスであるPrompt Plusは、プロンプトエンジニアの作成した高品質なMidjournyのプロンプトを売買可能なプロンプトマーケットプレイスです。プロンプトの販売や購入にご興味のある方はぜひご覧ください。
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