Unityは、ゲーム業界やCG・映像業界などのさまざまな業種で活躍する注目の言語です。米国サンフランシスコに本社を構えるユニティ・テクノロジーズ社が開発したマルチプラットフォーム向けの統合開発環境でもあります。国内ではユニティ・ジャパン合同会社が運営しています。
Unityは初心者でも扱いやすいため、現役プログラマー以外にも、若年層からの注目度も集めている言語です。そんなUnityを活用している業界や、注目される理由、デメリット面が気になっている方もいるのではないでしょうか。
今回は、Unityの特徴や注目される理由、将来性などについて解説します。Unityに関する将来的なニーズ、成長性を把握することでWeb3業界の仕事探しもスムーズになる可能性が高まります。
Tech Forwardに登録されているAI・Web3分野の最新求人一覧を以下からご覧ください。
Unityとは?
Unityとは、スマートフォンアプリやデスクトップゲーミングなどの開発に活用される、汎用性の高さが特徴的なゲーム開発ツールです。3DゲームやVRアプリケーション、ARアプリケーションを作成するためのツールを提供しています。
Unityを使用することで、高度なグラフィックスや物理演算、AI、マルチプラットフォーム対応などを実現することができます。
ゲーム業界以外にも、幅広い業界やシーンで活用されていることが多いUnityですが、特にゲーム業界ではプログラマーから高い評価を得ています。Unityは他の分野でも使用されています。
例えば、建築や工学、医学などでも3Dモデリングやシミュレーションを行うために使われています。
こちらの記事でゲームプログラマーの将来性、Unity以外にも必要なスキルについて詳しく解説していますので併せてご覧ください。
C#言語を利用している
Unityは、プログラミング業界でも主流のC#言語を採用しているため、知識を深めることでほかの企業でも活躍できる可能性が高まります。また、C#言語はユーザーが多いので、問題が発生しても解決策がネット上に多く掲載されているので安心です。
そのほかUnityでは、C#以外にもBooやJavaScriptが利用されていました。しかし近年のアップデートによりBooとJavaScriptの活用の廃止が決定したため、UnityではC#言語が主流となっている状況です。
今後のプログラミング業界での活動も考慮すると、世界的にもメジャーな言語の一種であるC#を活用したUnityのマスターは、対応能力を高めてくれるといえます。
高いシェア
Unityはゲーム開発に特化した開発ツールであり、世界的なシェア率もトップクラスを誇ります。
モバイルゲーム市場では約50%、AR/VRコンテンツにおいては約60%を超えるシェアを獲得していると言われています。2019年の調査ではアプリストア(AppleとGoogle)におけるトップ1,000のゲームのうち、53%がUnityを使っていたのでかなり近い数字でしょう。
Unityは主にスマートフォンアプリやデスクトップゲーミング、さらにはメタバースとの相性もよいメジャーなツールです。Web3化が本格的に進めば、今以上にゲーム業界が盛り上がるでしょう。
こちらの記事でメタバースの仕組み、代表的なプラットフォームについて詳しく解説していますので併せてご覧ください。
Unreal Engineとの住み分けは?
Unityと比較されるゲームエンジンとして、エピック・ゲームズが開発・提供する「Unreal Engine」があります。
Unreal EngineはUnityよりも自由にカスタマイズでき、高グラフィックなゲーム開発が得意です。そのため、PCおよびコンシューマーゲーム(家庭用ゲーム)でのシェアが高いのが特徴です。
一方、Unityはモバイル市場やAR/VR市場において高いシェア率が強みです。専門性の高いプログラミング言語知識を持ち合わせていなくても各種ゲームを開発できます。初心者にもおすすめできる開発ツールです。
こちらの記事でゲームエンジンUnityの双璧であるUnreal Engineについて詳しく解説していますので併せてご覧ください。
Unityが注目される6つの理由
Unityはプログラミング業界でのシェア率も高く、初心者にも優しいゲーム開発ツールです。Unityに大きな注目が集まっているのは以下の理由です。
- スマートフォンアプリのゲーム分野で使われている
- 医療・建築・自動車などの業界で使われている
- VRやARを得意とする
- ローコーディングでプログラミングできる
- 利用金額がリーズナブル
- マルチプラットフォーム対応
具体的な理由を理解すると、Unityの将来性や、今後のキャリアプランなども立てやすくなるので、ぜひ参考にしてください。
スマートフォンゲーム分野に強い
Unityはスマートフォンアプリやデスクトップゲーミングなどのさまざまなゲーム開発ツールとして活用されている、汎用性の高さが魅力です。スマートフォンアプリを開発するためのツールとして、Android、iOS、PCのWindows、Macなどにも対応しています。
なお、Unityによって開発された人気のゲームタイトルには以下があります。
- Pokémon GO
- ウマ娘
- 白猫プロジェクト
Unityは2D・3D領域でも自由な開発が可能であり、メタバースとの相性も高いことから、今後の拡張性・需要の拡大が期待されているツールです。
医療・建築・自動車などの業界で使われている
Unityはスマートフォンアプリやデスクトップゲーミングを開発するツールとして活用されているほかに、医療、建築、自動車などのさまざまな業界で活用されています。
医療業界では、脳や心臓の疾患を処置する際のVRによる手術シミュレーションや、医療教育にも活用されており、大きな注目を集めました。
こちらの記事でVRの仕組み、活用されている業界について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
建築業界においては、Unityを活用したことにより、3DCG設計の生産性が飛躍的に向上。多くの建築士・設計士の負担を大きく減らしたり、設計ミスを少なくしたり、多岐に貢献しています。
Unityは自動車業界でも同様に活用されており、製造からマーケティング、販売後のアフターケアに至るすべての業務をサポートするツールとしても活躍する実用性の高さが魅力です。
VRやARを得意とする
UnityはメタバースであるVR(仮想現実)を開発するツールとして活用する以外にも、AR(拡張現実)ツールとして広く利用されています。
VR分野では医療、建築、自動車業界などの生産性を高めています。Unityは、以下のような有力VRデバイスをサポートしています。
- Oculus Rift
- HTC Vive
- Windows Mixed Reality
Zoom背景やPokémon GOなどのような、AR(拡張現実)でも活躍しています。
ARとは現実世界とバーチャルを掛け合わせたコンテンツであり、その先駆けとして大きなブームとなったのがPokémon GOでした。スマートフォン越しの風景に、ポケモンを登場させる仕組みです。
同様の仕組みのなかには、スマートフォンをかざすとAR広告やコンテンツなどが表示されるタイプもあります。現在、主流となっているオンラインミーティングの場でも実用性を高めています。
Unityは、以下のような有力ARデバイスをサポートしています。
- Microsoft HoloLens
- Google Glass
- Apple ARKit
ローコーディングでプログラミングできる
Unityの大きな特徴の1つが、専門知識がなくてもゲーム開発ができたり3Dキャラクターをデザインできたり、ローコーディングでプログラミングできる点です。
従来は3Dゲームやメタバース開発、キャラクター設計には、プログラミング言語の一種であるC言語やJavaScriptなどの専門的なスキルが必須でした。
しかしUnityでは、ローコーディングを行うためのビジュアルプログラミングツールである「PlayMaker」が提供されています。PlayMakerを使用することで、プログラマーではない人でも、Unityでゲームやアプリケーションを「ある程度」開発できます。
初心者でも抵抗なく、ローコーディングでゲーム開発できるためUnityは高い人気を集めたのです。
利用金額がリーズナブル
Unityには、個人での利用に適したプランや、法人向けのプログラマーにおすすめの内容など複数のプランが以下のように用意されておりリーズナブルです。2023年に価格体系の大きな変更が発表されました。
もともとあったUnity Plusは、2023年9月12日をもって新規契約が停止されたことが確認されています。期間限定で、Unity Plusの価格のままでUnity Proに1年間アップグレードすることが可能などの救済プランが発表されています。
- Personal:無料プラン
- Pro:月額24,420円プラン(年額267,960 円)
- Enterprise:プロジェクトごとのプラン
もっとも安いプランは、無料で利用できる初心者や学生向けの「Personalプラン」です。Ppersonalプランは、Unityに興味があるので、体験してみたい方におすすめのプランです。
ただし、無料プランでは、商用利用ができず、一部のプラットフォームにしか対応しないなどの制限があります。
こちらの記事でUnityのライセンスの種類、最適な製品の選び方について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
マルチプラットフォーム対応
UnityではApple StoreやGoogle Playなどのスマートフォンアプリ、XboxやPlayStation、Nintendoなどの幅広いプラットフォームでのゲーム開発に対応しています。
スマートフォンアプリでの活用も盛んなため、今後はUnityを利用したエンジニアがさらに求められる状況です。またスマートフォンアプリ以外にも、デスクトップゲーミングを開発するツールとしても注目されています。
WindowsやMac、Linuxなど、あらゆるマルチプラットフォームに対応できるのがUnityuが注目される理由です。
Tech Forwardに登録されているAI・Web3分野の最新求人一覧を以下からご覧ください。
Unityのデメリットは動作性の遅さ
Unityには、ローコーディングでプログラミングできる点や、幅広い業界で活用できる汎用性の高さなどのさまざまメリットが挙げられますが、動作性の遅さがデメリットです。
プログラミング言語についての知識がない初心者でも、問題なく開発できるようにシンプルなコード設計が組まれている反面、高度な表現などには向いていません。ローコーディングで初心者にも馴染みやすいように、シンプルなゲーム開発ができるのがUnityです。
幅広いシンプルなゲーム設計で、誰でも利用できる開発ツールは大きなメリットです。Unityの利用を検討する前には、活用するための目的・用途を明確化しておきましょう。
Unityエンジニアの需要と将来性は?
VR(バーチャルリアリティ)、AR(拡張現実)が一層普及していくであろうことを考えると、Unityエンジニアは将来的にも需要があると考えられます。ゲーム業界だけでなく、建築や工学、医学などの他の分野でも活躍できるでしょう。
Unityはローコーディングによるゲーム開発も可能なため、専門性の高いプログラミング知識がなくても使用可能な点は競争が激しくなりすぎるように感じるかもしれません。
確かに、Unityは初心者にもおすすめです。しかし、ローコーディング環境では、プログラマーが行うことのできることをすべて行うことはできません。
ゲームやアプリケーションに高度な機能を持たせるには、コーディングがどうしても必要になる場合が少なくありません。高度なコーディングスキルを必要とするシーンがますます増えていくと予想されます。プログラマーのなかでもUnityを扱えるゲームプログラマーは求人案件も多く人気です。
こちらの記事でプログラマーの転職事情、おすすめのキャリアアップ方法について詳しく解説していますので併せてご覧ください。
マルチプラットフォームとしてさまざまな機種にも対応していること、これからUnityの導入が期待される分野や、すでに活用されている業界での実績などを考えると、将来的にも高い需要が期待されるといえるでしょう。
Unityでよくある質問まとめ
- Unityとは?
-
Unityとは、スマートフォンアプリやデスクトップゲーミングなどの開発に活用される、汎用性の高さが特徴的なゲーム開発ツールです。3DゲームやVRアプリケーション、ARアプリケーションを作成するためのツールを提供しています。Unityを使用することで、高度なグラフィックスや物理演算、AI、マルチプラットフォーム対応などを実現することができます。詳しくはこちらにジャンプ。
- Unityが注目される理由は?
-
Unityはプログラミング業界でのシェア率も高く、初心者にも優しいゲーム開発ツールです。Unityに大きな注目が集まっているのは以下の理由です。
- スマートフォンアプリのゲーム分野で使われている
- 医療・建築・自動車などの業界で使われている
- VRやARを得意とする
- ローコーディングでプログラミングできる
- 利用金額がリーズナブル
- マルチプラットフォーム対応
具体的な理由を理解すると、Unityの将来性や、今後のキャリアプランなども立てやすくなるので、ぜひ参考にしてください。詳しくはこちらにジャンプ。
まとめ
Unityは米国のユニティ・テクノロジーズ社が開発した、ローコーディングでプログラミングできるゲーム開発ツールです。主に利用する言語はC#であり、特にモバイルゲーム業界ではシェア率の高さを誇ります。
AndroidやiOSのスマートフォンアプリ以外にも、PlayStationやXboxなどのデスクトップゲーミング、WindowsやMacなどのさまざまなPCに対応する、マルチプラットフォームなツールです。
幅広い分野に応用できる対応能力の高さから、今後の導入が期待されている業種なども多く、将来性の高い開発ツールとして注目を集めています。
比較的簡単に開発環境を構築できるので、導入する企業も増えていくことが予想されている状況です。今後のWeb3業界でのキャリアアップを考慮すると、Unityを扱える人材は有利だといえます。
Tech Forwardに登録されているAI・Web3分野の最新求人一覧を以下からご覧ください。
Tech Forward公式Discordには、AI・Web3・メタバースなど先端テクノロジーに興味のある方が集まっています。最新テクノロジー情報のキャッチアップや、同じ興味分野がある方との人脈づくり、最新技術活用の議論、お仕事情報GETが可能です。ぜひ気軽にTech Forward公式Discordにご参加ください!
Tech Forward Magazine編集局では、AIやWeb3、ブロックチェーン、メタバース等に関するお役立ち情報を発信しています。姉妹サイトのAI Market(https://ai-market.jp/)やPrompt Plus(https://prompt-plus.ai/)の案内も行います。