国内においてスタートアップ企業の数が着実に増加している中、多くの方が転職先として検討されていることでしょう。スタートアップでは、年齢やキャリアに関わらず重要な仕事を担う機会が多く、イノベーティブで年収が高いといったポジティブなイメージが大きな魅力となっています。
こちらの記事でスタートアップ企業の特徴、ベンチャー企業との違いについて詳しく解説していますので併せてご覧ください。
一方で将来の保証が不透明であること、激務が予想されること、組織のトップがワンマンである可能性など、ネガティブなイメージもあり、不安になる方もおられます。この記事では、スタートアップ転職の失敗するパターン、メリットとデメリット、この仕事に向いている人について詳しく解説します。
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スタートアップへの転職で失敗する5つのパターン
スタートアップ転職に失敗するパターンは、以下の5パターンが考えられます。
- 調査不足
- 成功ありきの安易な考え
- マルチタスクが苦手
- 必要とされる独自性が少なかった
- 大企業出身ゆえの上から目線が強い
それぞれの詳細を解説します。
調査不足
スタートアップ企業への転職は、通常の企業と比較して期待外れとなるリスクが高いです。これは、転職者のスタートアップに対する調査不足が原因の場合が多いです。
実際に働いてみると、予想と異なる状況が次々と現れ、仕事を続ける意欲が低下し、再度転職を考えざるを得ないことがあります。そのため、事前の徹底的な調査が重要です。
成功ありきの安易な考え
スタートアップで成功すると、社会的に注目されたり、報酬が大幅にアップするため非常に魅力的に感じられるかもしれません。しかし、それで転職を決めてしまうのは安易です。
多くの資金援助を受けながら、前例のない挑戦に取り組むスタートアップには大きなリスクがついて回ります。創業理念、ビジネスモデル、資金計画などを詳しく調べて、転職するのが自分に適しているか検討する必要があります。
マルチタスクが苦手
スタートアップでは、マルチタスクが当たり前です。複数の業務を同時にこなすことが通常です。そのため、一つの仕事に集中したいタイプの人は、スタートアップでの転職はうまくいかない可能性があります。
必要とされる独自性が少なかった
スタートアップでは、他の人と一線を画すスキルや知識を持つ人材が歓迎されます。そのような特別な才能がない場合、仕事のレベルが高すぎたり、職場の雰囲気に馴染めず居心地の悪さを感じたりするケースがあります。
大企業出身ゆえの上から目線が強い
大企業に勤務していた経験がある人からすると、スタートアップでの仕事の進め方やスピード感に疑問や違和感を感じることがあります。そして、自分の考えや感覚のほうが正しいと信じ込み、さまざまな状況で反発的な態度をとってしまうことがあります。
このような態度では、周囲との対立を引き起こし、不満やストレスが溜まって仕事が続けにくくなります。したがって、こうした場合に謙虚な態度で物事に取り組むことが大切です。
スタートアップに転職する5つのメリット
スタートアップに転職するメリットは、以下が挙げられます。
- 意思決定が早い
- 自由度が高い
- 成長できる機会が多い
- 転勤が少ない
- 成功すると大幅に報酬がアップする
各メリットについて詳しく解説します。
意思決定が速い
スタートアップの大きな特徴は、意思決定の速さです。各チームメンバーの意思で迅速にタスクを進めることができます。スタートアップは短期間内に急速な成長を目指し、競合他社が参入する前に新たな技術や斬新なサービスをいち早く展開し、競争優位性を築くことに力を注ぎます。
大企業のように取締役会や株主総会で同意を得るといったことが必要ないので、迅速な意思決定が行なわれます。これにより、プロジェクトやアイデアがスムーズに進行し、チームメンバーは迅速に作業に取り組むことができます。このスピード感は、仕事へのモチベーションを高め、成功時の達成感も大きなものとなるでしょう。
自由度が高い
スタートアップではマニュアル通りの仕事に縛られず、成功を収めるために高い自由度で仕事ができることが多いです。大企業ではキャリアを積んでからしか与えられないような業務を、スタートアップでは入社まもない頃から与えられることも珍しくありません。
また、トップや経営幹部との距離も近く、自身の意見を直接伝えたり、指示を受けたりする機会が多いでしょう。そのため、緊張感を持ちつつもやりがいを感じながら業務に取り組むことができます。
成長できる機会が多い
スタートアップでは、一度に複数の業務を担当することが多いため、自身が急速に成長できる機会が豊富です。研究開発、営業、資金調達、役所対応、ブランディング、株式公開など通常は異なる部門に分かれている業務が、スタートアップでは同じ人が担当することがよくあります。
トップや幹部社員の仕事を間近で見る機会も多く、起業に必要なスキルや知識を習得する機会も多いでしょう。現場でしか得られない実践的な経験は、非常に価値のあるものと言えます。
転勤が少ない
スタートアップの多くは、限られた拠点で仕事を行っていることがほとんどです。そのため、一度勤務地が決まると、通常は同じ場所での勤務が続くことが多いです。転勤が少ない点はメリットと言えるでしょう。
大企業に比べて、テレワークを積極的に推進しているケースも多く見受けられます。特に家庭を持つ方にとっては、働きやすさを感じるかもしれません。
成功すると大幅に報酬がアップする
スタートアップが成功すると、わずか数人規模の企業であっても膨大な利益を得ることが起こり得ます。スタートアップは、わずか数年以内にM&Aや新規株式公開などのイグジット戦略を積極的に採用しているケースが多く、それが実現すると報酬が大幅に増加します。
転職の際には、ストックオプションを提供されることもあり、株式が上場すれば莫大な売却益を得るチャンスもあります。
スタートアップに転職するデメリット
スタートアップ転職のデメリットは、以下が考えられます。
- 業務負荷が大きくなりがち
- 一時的に年収が下がることがある
- 福利厚生が未整備になりがち
- 人の入れ替わりが激しい
- 大企業に比べて社会的信用度が下がる可能性がある
各デメリットについて詳しく解説します。
業務負荷が大きくなりがち
スタートアップでは、一度に複数の仕事を担当することがあります。自分の得意な業務ばかりであれば問題ありませんが、中には経験のない業務やノウハウが理解できない業務、苦手な業務が含まれることもあるかもしれません。そのため、激務の状況で心身ともに疲弊してしまわないようバランスをとる必要があります。
年収が下がることがある
スタートアップは、大きな成功を収める例もありますが、むしろ期待通りの利益が得られず、資金調達に奔走したり、廃業に追い込まれるケースも多いでしょう。そのため、転職しても前職の方が給料が高く、将来的な昇給の可能性が見込めないこともあるかもしれません。
福利厚生が未整備になりがち
スタートアップでは、福利厚生が後回しになるケースも珍しくありません。全てが整った状態でスタートするのではなく、最低限の条件からスタートし、徐々に整備されていくことが一般的です。
大手企業では当たり前のように提供されている以下のような福利厚生制度やサポートが不足している可能性があります。
- 有給休暇
- 育児・介護休業
- 健康推進や通勤・住宅関連の補助
- 自己啓発支援
- レクリエーション活動
これらの整備状況を入社前にしっかりと確認しておくことが大切です。
人の入れ替わりが激しい
スタートアップは社員の入れ替わりも激しいです。創業者を含めスタッフほぼ全員が転職組というケースも珍しくありません。また、働いてみるとイメージが違ったとか、トップと考え方が合わない、他の企業からヘッドハンティングされたといった理由で転職していく人も多いです。
そのたびに新しいメンバーとチームを組む必要があるため、コミュニケーションが得意でない人にとってはストレスが増えることがあるかもしれません。
大企業に比べて社会的信用度が下がる可能性がある
特に大企業出身者がスタートアップに転職する場合は社会的信用度が下がる可能性があります。新しい職場の企業名を言っても分かってもらえなかったり、会社の事業内容を理解してもらいにくかったりすることも少なくないでしょう。
このような状況では、住宅ローンや銀行融資、不動産賃借などの取引が円滑に進まないこともあるでしょう。
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スタートアップへの転職が向いている人3タイプ
スタートアップへの転職が向いているタイプの人は以下です。
- 創業精神が強い
- 決定権を持って仕事がしたい
- 専門的知見やスキルがある
それぞれの特徴を解説します。
創業精神が強い
創業スピリットや独立心が旺盛な人は、スタートアップへの転職がおすすめです。以下の考えが強い人はスタートアップの理念にピッタリと合致します。
- 誰もしたことがないことを手掛けてみたい
- 困っている人を助けたい
- 社会を大きく変えて利便性を高めたい
成功すれば自身の夢が現実になる瞬間を味わえるので、スタートアップは理想的な選択と言えるでしょう。
決定権を持って仕事がしたい
自身が主導権を持って業務に取り組みたい志向の方にも、スタートアップの転職がおすすめです。スタートアップでは、指示待ちでは業務を遂行することが難しく、常に先手を打つ機敏さが求められます。
このような機動力を持ち合わせている方は、一般の企業に比べて年齢や経歴に関係なく決定権を持たせてもらえる機会が多く得られるでしょう。
専門的知見やスキルがある
スタートアップでは、専門知識やスキルを持つ人材を非常に必要としています。以下の経験があるなら、スタートアップ市場での価値が非常に高まることでしょう。
- 新規事業立ち上げの経験
- 特定の分野での研究実績
- 新技術や新製品の開発
スタートアップへの転職でよくある質問まとめ
- スタートアップに転職するメリットは?
-
スタートアップに転職するメリットは、以下の5つが挙げられます。
- 意思決定が早い
- 自由度が高い
- 成長できる機会が多い
- 転勤が少ない
- 成功すると大幅に報酬がアップする
詳しくはこちらにジャンプ。
- スタートアップに転職するデメリットは?
-
スタートアップ転職のデメリットは、以下の5つが考えられます。
- 業務量が多くなりがち
- 年収が下がることがある
- 福利厚生が未整備になりがち
- 人の入れ替わりが激しい
- 大企業に比べて社会的信用度が下がる可能性がある
詳しくはこちらにジャンプ。
まとめ
スタートアップへの転職は、非常に魅力的な選択肢です。特に、独立心旺盛で自分の裁量で仕事を進めたいと考える方にとっては理想的な職場と言えるでしょう。
しかし、実際に転職してみると、予想とのギャップを感じることもあるかもしれません。そのため、転職を検討する前に、事前に徹底的な調査を行い、急いで決断しないようにすることが重要です。
自分にとってメリットがデメリットを上回ると感じたら、具体的なステップを踏んで転職を検討してみる価値があるでしょう。
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