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Pythonでできることは?機械学習・画像処理など活用方法5選・おすすめライブラリ徹底解説

Pythonでできることは?機械学習・画像処理など活用方法とおすすめライブラリ徹底解説

Python(パイソン)はプログラミング言語の中でも汎用性が高く、多くの分野で注目されています。また、Pythonのエコシステムは非常に豊富で、多くのライブラリやフレームワークが利用できます。これにより、開発者は既存のソリューションを利用して、効率的にプロジェクトを進めることができます。

これからのITエンジニアにとって、Pythonをマスターすることは必須と言えるかもしれません。

しかし、Pythonは具体的にどのようなことができるのか、詳しく知らないまま学習している方も少なくありません。本記事では、Pythonでできること5選を、活用するライブラリと合わせて紹介します。

最後まで読むことで、Pythonでどのようなことができるのか、それぞれにどのライブラリを使うとよいのかまで知ることができます。

こちらの記事でPythonの概要、人気と将来性が高い理由について詳しく解説していますので併せてご覧ください。

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こちらの記事でPythonエンジニアの転職事情について詳しく解説していますので併せてご覧ください。

目次

Pythonの得意分野①機械学習

Pythonは、機械学習の分野でデファクトスタンダード(業界の中で事実上の標準)とされている言語です。既にGoogleフォトの写真管理やiPhoneのSiri、天気予測などで活用されています。

Pythonを用いた機械学習でできることは、主に以下です。

  • 画像認識・画像処理
  • データ予測
  • 音声認識
  • テキストマイニング
  • ディープラーニング

それぞれ詳しく解説します。

画像認識・画像処理

画像認識には何が写っているのかを判別する物体認識と、対象物の位置や個数を把握する物体検出の2種類があります。画像認識では、AIにタグ付けした大量の画像データ(教師データ)を学習させることが必要です。

この過程で行われる学習データの前処理などの画像処理や画像加工に用いられるのがPythonのライブラリであるOpenCV、Pillow、Scikit-imageなどです。

画像処理だけであればPillowも得意です、しかし、Pillowには物体検出などの機能が盛り込まれていません。そのため、OpenCVが最も活用されているライブラリとなっています。

OpenCVを活用することで、人間の顔とそうでないものの識別や顔の類似度判定、車の自動運転における障害物の検知機能などの開発が可能になります。

データ予測

AIの機械学習における、数値やラベルといったデータの予測機能の開発は、scikit-learn(サイキットラーン)が主に用いられます。ここでいうデータ予測は、機械学習のうち教師あり学習のうち回帰分析と分類を指します。

回帰分析とは、説明変数を用いて目的変数を分析することです。例えば広告宣伝費と売り上げの関係を数値で分析する際に活用します。

変数概要
説明変数広告宣伝費などの数値を予測するために必要なデータ
目的変数売り上げなどの予測したい数値

説明変数が1つの場合は単回帰分析、複数用いる場合は重回帰分析と呼びます。

分類とは、回帰分析とは異なり数値ではなくラベルを予測します。例えば晴れや曇りなどの天気や顧客が商品を気に入るかどうかなどです。

scikit-learnはアルゴリズムが豊富で、回帰分析と分類以外にも教師なし学習における次元削減やクラスタリング、機械学習を行う前のデータの数値返還といった前処理、モデル評価と選択といったことも行うことができます。

音声認識

PythonでAmazonのアレクサやiPhoneのSiriなどに代表される音声認識機能も開発することが可能です。音声認識では人間が声として発する自然言語を音波として数値に変換し、AIに読み込ませる必要があります。

これに用いられるのがSpeechRecognitionやJuliusといったPythonのライブラリです。どちらも音声認識機能を実装するためのライブラリですが、精度の面からSpeechRecognitionの方が一般的です。

SpeechRecognitionでは、音声を直接テキスト化することはできませんが、既に録音された音声ファイルを読み込み、指定した言語のテキストに変換することが可能です。例えば作業ディレクトリに格納された音声ファイルを読み込み、日本語テキストに変換するよう指示するコードを書くことで、音声認識機能を実装することができます。

テキストマイニング

テキストマイニングとは大量のテキストを単語や文節に区切る形態素解析を行い、単語の出現頻度や相関関係などを分析するデータマイニング手法です。

テキストマイニングにはWordCloudやMeCab(メカブ)といったPythonライブラリが活用されています。

例えば記述式アンケートやSNSのテキスト投稿などを分析し、用いられる単語の傾向などを分析することで改善に役立つ知見を見出すことができます。記述式アンケートであれば、顧客の要望として記入された多くの文章の中で、どのような単語が繰り返し出現するのか数値で把握することができるため、ニーズを正確に把握することが可能です。

ディープラーニング

Pythonはディープラーニングの分野で広く使われています。特に以下のような分野でPythonを使えば、実用的なディープラーニングのシステムを比較的簡単に実装できます。

  • フレームワーク
  • ライブラリの提供
  • データ処理
  • 可視化

それぞれの分野を説明します。

フレームワーク

Pythonには、ディープラーニングのフレームワークであるTensorFlowやPyTorchが用意されています。これらのフレームワークを使うことで、ニューラルネットワークの構築や学習、予測などが容易に行うことができます。

ライブラリ

Pythonには、機械学習ライブラリのscikit-learnや、ディープラーニングライブラリのKerasが用意されています。これらのライブラリを使うことで、ニューラルネットワークの構築や学習、予測などが容易に行えます。

データ処理

Pythonには、NumPyやPandasといったライブラリが用意されており、これらを使うことで、データの前処理や分析が容易になります。

可視化

Pythonには、matplotlibやSeabornといったライブラリが用意されています。ディープラーニングでは、ニューラルネットワークの構造や学習の進捗状況を可視化することが重要です。これらを使うことで、グラフやチャートを簡単に描画できます。

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Pythonの得意分野②Webアプリケーション開発

Pythonの得意分野②Webアプリケーション開発

PythonではWebアプリケーション開発も行うことができます。

もちろん他のプログラミング言語でも開発は可能です。しかし、Pythonのメリットは文法がシンプルで改修が容易に行えることやコンパイル不要で即座に実行に移せることです。

そのため、企業にも人気が高く、YouTubeやInstagramの開発にも用いられています。

人気はDjango・Flask・Bottle

Webアプリケーション開発に用いられるPythonのフレームワークは、Django(ジャンゴ)やFlask(フラスク)、Bottleなどが挙げられます。

Djangoは、フルスタックフレームワークと呼ばれるWebアプリケーション開発に必要な機能を網羅的に実装した、人気の高いフレームワークです。

FlaskやBottleはマイクロフレームワークとも呼ばれ、機能はシンプルですが軽量で初学者にも扱いやすいため高い人気を誇っています。

このように、Pythonは実装したい機能の幅や求める用途に応じて、豊富なフレームワークから選択可能です。この点も、PythonでWebアプリケーション開発が盛んな理由として挙げられるでしょう。

Pythonの得意分野③ブロックチェーン開発

Pythonはブロックチェーン開発にも活用されています。Pythonがブロックチェーン開発に適している理由は、ブロックチェーンのセキュリティの根幹を担うハッシュ計算を行うためのライブラリが組み込まれているためです。

ハッシュとは、元データから算出された数値のことで、元データが異なるとハッシュも異なる値を取ります。また、ハッシュから元の値を復元するのは簡単なことではありません。

ブロックチェーンでは各ブロックにハッシュが用いられ、前のブロックのハッシュを基に次のブロックのハッシュを算出していきます。

もし、ブロックチェーンを改ざんしようとする場合でも、改ざんしたいブロックから最新ブロックまでの全てのハッシュを再計算しなければなりません。そして、再計算している間に新たなブロックが追加されてしまうので、実質改ざんは不可能と言っていいでしょう。

こちらの記事でブロックチェーンの仕組みと技術的意義について詳しく解説していますので併せてご覧ください。

Pythonでは、ハッシュ計算のために用いられるhashlibやハッシュ計算関数に代入するための形式に整えるjsonなどのライブラリが標準で実装されているため、ブロックチェーン開発においても活用が進んでいます。

Pythonの得意分野④データ収集の自動化

Pythonの得意分野④データ収集の自動化

Pythonでは、データサイエンティストが行うレベルの膨大なデータ収集の自動化も行うことができます。Pythonのライブラリを活用して行うことができる作業は、主に次の2点です。

  • クローリング
  • スクレイピング

どちらもデータ収集を効率化する重要な作業になりますので、詳しく解説します。

クローリング

クローリングとは、Webページの情報をプログラムによって自動で情報収集することです。クローリングを行うプログラムのことをクローラーと呼びます。Googleの検索エンジンも、クローラーを用いて様々なWebページの情報を収集しています。

Pythonでクローリングに活用できるライブラリはRequestsです。クローリングは、Pythonの標準モジュールとして搭載されているurllib.requestでも行うことが可能です。

また、Scrapyでもクローリングやスクレイピングを行うことができます。しかし、Scrapyは少し技術的な難易度が高いので、一般的にはRequestsが良く用いられています。Requestsではデータをデコードする指示や参照先を開くような指示を一つずつ記載する必要がありません。

Requestsを用いることで、簡単にWebページからHTMLやXMLデータを簡単にダウンロードすることができます。

スクレイピング

スクレイピングとは、クローリングで収集した膨大なHTMLデータから必要な情報を抽出することです。抽出したデータをCSVファイルなどに出力するところまでを自動化できます。

クローリングと併せて行うことで、機械学習のための大量の画像データ収集やマーケティングにおける情報収集などを効率的に進めることが可能です。

Pythonでスクレイピングに用いられるライブラリは、Beautiful SoupやSelenium(セレニウム)が一般的です。Beautiful SoupはRequestsで収集したデータから情報を抽出するために用いられます。

Seleniumはデータ収集から抽出までをこなすことができる一方で、JavaScriptが使われているサイトからデータを収集することと、ブラウザを操作してデータ取得をするため動作が遅くなりやすい特徴があります。

Pythonの得意分野⑤高度なデータ分析

Pythonの得意分野⑤データ分析

データサイエンティストやデータアナリストが行うデータ分析にもPythonが用いられています。使われている作業としては主に次の2点です。

  • データ分析
  • データの可視化

それぞれどのようなライブラリを用いて作業を実行しているか、詳しく解説します。

こちらの記事でデータサイエンティストの仕事内容、データアナリストとの違いについて詳しく解説していますので併せてご覧ください。

データ分析

膨大なデータを収集し、それをビジネス等の課題解決に役立てるには分析を行う必要があります。これに用いられるライブラリが以下のNumpy(ナムパイ)やScipy(サイパイ)、Pandas(パンダㇲ)です。

スクロールできます
ライブラリ特徴
Numpy多次元配列などの高度な科学技術計算を行うことができる
Scipy多次元配列などの高度な科学技術計算を行うことができる
Pandas統計的処理に強く、データの前処理が簡単
Numpyが苦手とするCSVの読み書きなどが可能

NumpyやScipyは近い機能を有するライブラリです。違いとしては、Numpyは単体で全ての機能を扱うことができます。一方、Scipyは用途に合わせてサブパッケージを個別にダウンロードする必要があります。その反面Scipyの方がNumpyより多くの機能を実装することが可能です。

データの可視化

分析したデータをグラフなどに可視化することで、より深い洞察を得ることやプレゼンテーションへ利用することができます。

グラフ描画に用いられるライブラリが、Matplotlib(マットプロットリブ)です。Matplotlibでは、折れ線グラフや散布図、棒グラフ、円グラフなど幅広いグラフを作成することが可能です。グラフデザインなども詳細に設定することが可能でプレゼンテーションだけでなく、論文などにも用いられています。

Matplotlibは、数値解析ソフトの「MATLAB」を利用していた人向けにPythonでも簡単に扱えるように開発されたライブラリです。そのため、「MATLAB」利用者向けに操作感を近づけた記述方法と、オブジェクト指向型の記述方法の2種類があります。

Pythonでよくある質問

まとめ

今回はPythonでできることの種類と、活用するライブラリを解説しました。Pythonは機械学習やデータ収集、ブロックチェーン開発などに用いることが可能です。どれも今後発展が期待される分野であるため、Pythonの需要は引き続き伸びていくことが予想されます。

既にITエンジニアの経験がある場合、システム開発の基本を理解したうえでPythonのスキルを身につけられるため、企業から求められる人材になれるでしょう。

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