AI、Web3 領域の転職、副業をお探しなら詳しくはこちら

アジャイル開発とは?ウォーターフォール開発との違いやメリットを初心者向けに解説

アジャイル開発とは?ウォーターフォール開発との違いやメリットを初心者向けに解説

発注者の要望に対応するためシステム開発の分野では様々な開発手法が存在しています。その1つがアジャイル開発です。一度は耳にしたことがある方もいるかもしれませんが、具体的にどのような手法であるのか、理解している方は少ないでしょう。

今回はアジャイル開発の内容や種類、導入することによるメリット・デメリットについて解説します。本記事を読むことで、次のことが理解できます。

  • アジャイル開発について
  • アジャイル開発とウォーターフォール開発との違い

プログラマーやシステムエンジニアへの転職を検討している方は必ず知っておきたい内容となっています。

Tech Forwardに登録されているAI・Web3分野の最新求人一覧を以下からご覧ください。

Tech Forward公式Discordには、AI・Web3・メタバースなど先端テクノロジーに興味のある方が集まっています。最新テクノロジー情報のキャッチアップや、同じ興味分野がある方との人脈づくり最新技術活用の議論お仕事情報GETが可能です。ぜひ気軽にTech Forward公式Discordにご参加ください!

目次

アジャイル開発とは

アジャイル開発とは

アジャイル開発とは、短いスパン(通常は1週間から1カ月)を設定し、そのスパンで定義した目標を達成することを重視する開発方法です。2001年にアメリカのプログラマーが集まり「アジャイルソフトウェア開発宣言」に原則をまとめ、確立されました。

「アジャイル(agile)」とは、直訳すると「素早い」、「機敏な」という意味で、プロジェクトを小さい単位に分けて素早く開発を進めていきます。アジャイル開発には、スクラムというフレームワークがよく使われます。

スクラムは、アジャイル開発を効率的に進めるための方法論であり、プロジェクトを管理する際に用いられます。昨今のビジネス環境は変化が非常に激しい為、仕様変更への適用性が高いアジャイル開発は多くの企業で採用されています。

こちらの記事で、アジャイル開発の代表選手スクラム開発の詳細について解説しています。

ここからはアジャイル開発の特徴について詳しくみていきましょう。

アジャイル開発の特徴

アジャイル開発は、計画・設計・実装・テストといった開発工程のサイクルを機能ごとの小さい単位に分解し、そのサイクルを素早く繰り返すのが特徴です。

小さいサイクルを繰り返しながら1つの大きなシステムを開発するので、仕様変更への柔軟性が高いのが特徴です。そして、開発した機能を順次リリースできます。そのため、素早い対応が求められる場面で導入されています。

常に定義された目標を達成することを重視し、必要に応じてプロセスを変更する手法です。

アジャイル開発では、基本的には1~2週間単位でサイクルを回し、1つずつ機能を実装していきます。そのため、アプリ開発やシステムの管理保守などといった継続的な契約に向いています。

反対に、以下のようなプロジェクトには適していないとされています。

  • プロジェクトの規模が大きい
  • 顧客の意向や希望を詳細に、かつ具体的に把握できない
  • プロジェクトのスケジュールや予算が厳密に守られる必要がある
  • 成果物を納品して完了の買い切り型契約
  • 既に作るべき機能が明確に定まっている(例:長期間手作業で行っていた工程をシステム化する)

ウォーターフォール開発との違い

アジャイル開発と従来の開発手法であるウォーターフォール開発との大きな違いは、初期の打ち合わせ時点で要件定義や設計をすべて決めてしまうかどうか、という点です。

ウォーターフォール開発では、最初に全体の機能設計を固めてから開発に着手し、開発・実装・テストと運用までの各工程を段階的に完了させます。

ウォーターフォール、つまり水が上流から下流へ流れるようにプロジェクトが進行することが語源です。一方アジャイル開発では短いスパンを設定し、そのスパンで定義した目標を達成することを重視します。

ウォーターフォール開発は長期間プロジェクト向き

ウォーターフォール開発では、初期打ち合わせでの決定事項を基にシステム開発が進められるので、開発着手までにアジャイル開発より長い時間を要する傾向があります。しかし、先にプロジェクトの全体像が把握できるので予算や開発期間の見積もりがしやすいメリットがあります。

また、アジャイル開発では作業期間を通じて顧客との密なコミュニケーションを取りながら仕様を詰めるなどが必要ですが、ウォーターフォール開発では、定期的な進捗報告等にとどまり、着手後の密なコミュニケーションはそれほど必要としません。

加えて、長期に渡る大規模プロジェクトであっても、チームメンバーのアサイン計画が立てやすいのもウォーターフォール開発のポイントの一つです。 従来型のウォーターフォール開発一辺倒から脱して、アジャイル開発などの機動力に優れる柔軟な開発手法を導入する動きが広がっています。

アジャイル開発の流れ

アジャイル開発の流れ

ここからはアジャイル開発の流れについて解説します。アジャイル開発では以下が大まかな流れです。

  • クライアントの要望を基にプロダクトオーナーがプロダクトバックログを作成
  • イテレーションごとに実装する機能を決定
  • 上記サイクルを繰り返す

それぞれのステップを説明します。

プロダクトバックログの作成

プロダクトバックログとは、システム開発のために必要なタスクに優先順位やおおよその作業ボリュームをつけてリスト化したものです。システムを用いてユーザー(クライアント)が実現したいことをまとめたユーザーストーリーに基づいて優先順位をつけ、チームメンバーの意見を取り入れながら各タスクの作業ボリュームや予算を見積もります。

プロダクトバックログには、次のような内容が含まれます。

  • プロジェクトで行う作業やタスクの内容
  • 作業やタスクを実行するために必要な時間や予算
  • 作業やタスクを実行するために必要な人員や資源
  • 作業やタスクの完了期限

このプロダクトバックログを基にしてイテレーションごとの計画を立て、実装する機能を決めていくのでとても重要なものです。

完成度の高いプロダクトバックログを作成することができれば、次に取り組むべきタスクが自然と分かります。リーダーによる指示がなくてもチームメンバーが主体的にプロジェクトを進めていくことができるでしょう。

イテレーション(スプリント)

イテレーションとは、ジャイル開発で行われる1サイクルの期間のことです。アジャイル開発の種類の一つであるスクラム開発では、イテレーションのことをスプリントと呼びます。ただし、両者は同じ意味で使われる言葉です。

イテレーションの期間はプロジェクトやチームによっても異なりますが、1~2週間程度が一般的です。イテレーションごとにプロダクトバックログから次に取り組むタスクを、作業ボリュームやチームメンバーの能力から決定します。

イテレーションという小さなサイクルでプロジェクトを回していくので、次のイテレーションに入る前に進捗状況を確認し、作業ボリュームの見直しや軌道修正が可能です。

Tech Forwardに登録されているAI・Web3分野の最新求人一覧を以下からご覧ください。

アジャイル開発の3つの種類

アジャイル開発の種類

アジャイル開発の中にもいくつかの開発手法があります。ここでは、よく用いられる3つの種類について解説をします。

スクロールできます
開発手法
スクラム開発最も有名なアジャイル開発の手法
エクストリーム・プログラミング変更への柔軟な対応を重要視した開発手法
ユーザー機能駆動開発顧客にとっての機能価値を重視した開発手法

それぞれの手法について開発します。

スクラム開発

スクラム開発は最も有名なアジャイル開発の手法です。スクラム開発では、イテレーションのことをスプリントと呼びます。

チームメンバーの役割は決定しますが、明確なタスクや工程の振り分けは行いません。メンバーが自分たちで計画立案し、スプリントごとに開発の進行に問題がないか精査を行います。

スクラム開発においてリーダー的な役割を担うのがスクラムマスターです。スクラムマスターがプロダクトバックログを用いてプロジェクトの進捗状況を確認し、チーム外部・内部の調整を行います。

こちらの記事で、アジャイル開発の代表選手スクラム開発の詳細、メンバーの役割について解説しています。

エクストリーム・プログラミング(XP)

エクストリーム・プログラミング(XP)は、事前の計画よりも、仕様・要件の途中変更への柔軟な対応を重要視した開発手法です。スクラム開発よりさらに短いスパンを設定します。

そして、プロジェクトを最短の時間で完了させることを重視します。プロジェクトチームは少人数で構成されることが多く、チームメンバー間のコミュニケーションが成功のカギです。

コミュニケーション・シンプル・フィードバック・勇気・尊敬をチーム内で重視するのが特徴で、設計プロセスは必要最低限でフィードバックやコミュニケーションに重きを置いたシステム開発を行います。

エンジニアがペアを組みコーディング内容を互いに確認しながら作業を行うので、エラーや仕様変更に強いメリットがあります。一方で、エンジニア同士の相性の問題や力量の違いなどによってはプロジェクト効率に大きな支障をきたすおそれがあります。

ユーザー機能駆動開発(FDD)

ユーザー機能駆動開発(FDD)は、顧客にとっての機能価値を重視した開発手法です。最初にユーザー(クライアント)が望む機能を記述したユーザーストーリーを決め、ユーザーストーリーを中心にプロジェクトを進めます。

クライアントへ入念なヒアリングを行い、必要としている機能を洗い出し、機能ごとに開発チームを編成します。そのため、クライアントが求める価値の高い機能を実装したシステムを開発しやすい手法です。

反面、クライアントとの念入りな打ち合わせを行う必要があるので、必要な情報を入手して開発に着手するまでに時間を要する場合があります。また、クライアントのニーズや要求がばらついて変化するケースではユーザーストーリーを決めることが難しくなります。

アジャイル開発の3つのメリット

アジャイル開発のメリット

ここからはアジャイル開発を導入する以下のメリットについて解説をします。

  • 要件定義が不明確でも対応可
  • トラブルや仕様変更に強い
  • 残業や休日出勤が少ない

アジャイル開発はクライアントだけでなくプログラマーやシステムエンジニアにとってもメリットの多い開発手法であることがわかります。

こちらの記事でシステムエンジニアの主な仕事内容、これからの将来性について詳しく解説していますので併せてご覧ください。

要件定義が不明確でも対応可

アジャイル開発では、クライアントが自身のニーズに気づいておらず全体像が見えていない状態であっても大きな支障がありません。プロジェクトの進行に合わせてイテレーションごとに実装する機能を決めていけばよいからです。

一方、ウォーターフォール開発では最初の打ち合わせで要件定義や仕様設計書を詳細に作成します。そのため、どのようなシステムが欲しいのかクライアント側で不明瞭だと開発に着手できず、プロジェクトが停滞してしまいます。

アジャイル開発が、クライアントとの対話を重視する開発手法であることによるメリットです。

トラブルや仕様変更に強い

アジャイル開発では各イテレーションで機能を実装しフィードバックをもらうため、クライアントの要望とズレが生じにくいメリットがあります。仕様変更となった場合であっても小さい単位で作業サイクルを回しているため、手戻りとなる工数が少ないのがメリットです。

同じく、トラブルやシステムエラーが発生した場合であってもタスクを細かく分割しているので、振り返る作業範囲が小さく済みます。

残業や休日出勤が少ない

アジャイル開発では、イテレーションごとに処理が可能なボリュームのタスクを割り当てるため残業や休日出勤が少ない傾向にあります。

反対にウォーターフォール開発では、最初のクライアントとの打ち合わせで全体像を決定し、スケジュールや予算を見積もるため、その後の仕様変更やトラブルが発生した際に対応に追われ、残業や休日出勤が発生しやすい傾向があります。また、追加になった工数分の費用をだれが負担するかでトラブルに発展する場合もあります。

無駄な費用を削減したいクライアント側はもちろん、プログラマーやシステムエンジニアにとってもアジャイル開発はメリットのある開発手法といえるでしょう。

こちらの記事でプログラマーの仕事のたいへんさ、向いている人、向いていない人について詳しく解説していますので併せてご覧ください。

アジャイル開発のデメリットは全体像が把握しにくいこと

アジャイル開発のデメリットは全体像が把握しにくいこと

アジャイル開発では、プロジェクトの全体感の把握が難しいデメリットがあります。イテレーションごとに処理するタスクを決定し、一つずつ機能を実装していくことだけにフォーカスされやすいからです。

アジャイル開発では、プロジェクトの指針をしっかり持っていないと開発の方向にブレが生じてしまいます。

そこで重要になるのが、ユーザーストーリーです。ユーザー(クライアント)がシステム開発によってどのようなことを実現したいのかが明確であれば、場当たり的な開発になることを防ぎ一貫したシステム開発を行うことができます。

アジャイル開発が可能な人材が不足している

アジャイル開発が可能な人材が不足している

アジャイル開発はクライアント・プログラマーの双方にメリットの多い開発手法です。しかし現在、アジャイル開発を行うことができる人材が不足している状況にあります。

一般社団法人日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)が発表している「企業IT動向調査報告書2022」によると、「アプリケーション設計・開発要員」について、充足している企業の割合は「ウォーターフォール型」が50.7%に対して「アジャイル型」は25.8%と半分程度でした。

また、アメリカの大手ITアドバイザリー企業であるガートナージャパンが行った企業のアプリケーション開発手法別採用状況に関する調査結果によると、従業員数が2,000人以上の大企業において従来のウォーターフォール型人材を「採用中」と回答した割合は86%に昇りました。

しかし「採用中だが縮小予定」と回答した企業が35%ありました。反対にアジャイル型人材を「採用を継続または拡大」、または「未採用だが今後採用予定あり」と回答した企業は合わせて60%を超えています。

このように、特に大企業でアジャイル型開発手法のニーズは高まっている傾向にあるものの、十分に採用できている企業は少ないのが現状です。

まとめ

今回は、アジャイル開発について概要やメリット、ウォーターフォール開発との違いについて解説をしました。アジャイル開発はクライアントだけでなくプログラマーにとってもメリットの多い開発手法ですが、人材不足となっているのが現状です。

これからプログラマーやシステムエンジニアへの転職を検討されている方は、アジャイル開発を身につけ、より良い働き方を目指してみてはいかがでしょう。

Tech Forwardに登録されているAI・Web3分野の最新求人一覧を以下からご覧ください。

Tech Forward公式Discordには、AI・Web3・メタバースなど先端テクノロジーに興味のある方が集まっています。最新テクノロジー情報のキャッチアップや、同じ興味分野がある方との人脈づくり最新技術活用の議論お仕事情報GETが可能です。ぜひ気軽にTech Forward公式Discordにご参加ください!

アジャイル開発とは?ウォーターフォール開発との違いやメリットを初心者向けに解説

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

シェアお願いいたします
目次