すべてのデジタルツールの起点となるプログラミング。アプリやWebサイトなどを自分で開発するためにプログラマーになって活躍したいとお考えの方も多いのではないでしょうか。
しかし、「未経験からでもプログラマーになれるの?」「文系出身だから無理かも」とイメージだけで諦めている方が多いかもしれません。実際は、未経験でも文系出身でもプログラマーになるのは十分に可能です。
そこで今回は、未経験からでもプログラマーになれると言える理由やパターン、必要なスキルやプログラマーになるためのステップ、注意事項について詳しく解説します。
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未経験からでもプログラマーになれる理由
未経験からでもプログラマーになれる理由から解説しましょう。
プログラマーは不足している
「DX白書2023」によると、2022年にDX人材について「大幅に不足している」と回答した企業が51.7%、「やや不足している」が34.4%と、合計で実に86.1%という高い数字をマークしています。すべてとは言えませんが、その大きな部分を占めるのがプログラマーです。
特に、Web開発、アプリ開発、システムインテグレーションなどの領域でプログラマーの不足が叫ばれており、企業は未経験者でも育成を前提とした採用を積極的に行っています。
最近になって、ノーコードやローコードツール、生成AIなどの登場により、プログラマーの仕事がなくなるのではないかと指摘されるようになりました。確かにこれらのツールによって、プログラミングのプロセスが大幅に短縮・簡素化されたことは間違いないでしょう。
しかし、プログラマーが必要ないかというと、まったくそのようなことはありません。ノーコードやローコードツールは基本的なアプリケーション開発を簡素化しますが、企業で必要とされるような複雑なビジネスロジックや高度なカスタマイズが必要な場合は、専門のプログラミング知識が不可欠です。
また、AIやノーコードツールは、あらかじめプログラムされたパターンやルールに基づいて機能しますが、人間特有の創造性や直感を模倣することはできません。新しい問題への独自の解決策を見つける能力や、革新的なアイデアを形にする能力は、引き続き人間のプログラマにしかできないことです。
ノーコードやローコードツール、生成AIの普及はプログラミングの役割を変化させるかもしれませんが、プログラマの需要を低下させることはなく、むしろ新たな役割やスキルセットの需要を生み出すと考えられます。
企業による独自の育成プログラム
多くのIT企業は、未経験者を対象にした独自の育成プログラムやインターンシップを提供しています。これらのプログラムは、実務経験がない人材に対しても、一から技術を教え、実践的なプロジェクトに携わる機会を提供することで、即戦力となるプログラマーを育成することを目指しています。
このようなプログラムを利用することで、未経験からでもプログラマーとしてのキャリアをスタートさせることが容易になります。
プログラミングが学びやすくなっている
近年、プログラミングを習得する環境は非常に充実しています。理系大学や専門学校で学ばなくとも、動画や参考書を使って独学で学べる方法が数多く存在します。
オンラインで利用できるプログラミング学習プラットフォームやチュートリアルが充実し、自宅にいながらにして最新のプログラミング言語や技術を学ぶことが可能です。GitHubやStack Overflowといったプラットフォームでは、初心者から上級者までが技術的な疑問を解決し合ったり、プロジェクトに貢献したりすることで実務経験に近い経験を積むことができます。
加えて、PythonやJavaScriptといった言語は初学者にも学びやすく、実践的なスキルを身につけやすいため、未経験からでもプログラミングの基礎を固め、実務で必要な技術を習得することができます。
よって、未経験だから、文系出身だからといったことは関係ありません。プログラマーになりたいという強い意志があれば目指せる職種なのです。
未経験からプログラマーになるパターン
続いて、未経験からプログラマーになる3つのパターンについて紹介しましょう。
新卒
まず、大学や大学院、専門学校などを卒業してそのままプログラマーとして就職するパターンです。学生の間に一定以上のレベルまでプログラミングを習得できている場合は、即戦力にもなり得ます。
しかしそうでなくとも、企業が研修を行なってプログラマーとして仕事ができるレベルにまでスキルアップを後押ししてくれるケースが多いので、基礎があれば問題ないでしょう。
第二新卒
大学などを卒業し、いったん別の業種に就職してから第二新卒としてプログラマーを目指すパターンも少なくありません。20代前半〜半ばのため、将来性を見込んでポテンシャル採用を行ない、企業のシステムの中でプログラマー育成をするというものです。
就職したものの、プログラマーになる夢が諦めきれない、自分がしたいことがプログラミングだとわかったといった理由で第二新卒からスタートして活躍していくケースは決して珍しくありません。
20代後半以降の転職
新卒や第二新卒に比べると募集案件は少ないですが、20代後半〜30代にかけて未経験からプログラマーに転職するパターンもあります。
未経験といってもプログラマーの知識がゼロという意味ではありません。ある程度の基礎を習得し、ITに関する知識がなければこの年代での転職は極めて難しいでしょう。
ただ、社会人としての知識や経験を買われて採用されることもあるので、事前準備や対策次第で十分に可能と考えられます。
未経験のプログラマーが担当する仕事
次に、未経験からプログラマーになった場合の仕事内容を紹介しましょう。
ウェブサイトのフロントエンド開発
HTML、CSS、JavaScriptなどの基本的な技術を使用して、ウェブサイトの見た目やユーザーインターフェイスを構築します。初心者にとって理解しやすく、実践的な経験を積むのに最適なスタートポイントです。
シンプルなバックエンド開発
PythonやRubyなどの比較的学習しやすいプログラミング言語を使用して、ウェブアプリケーションのサーバーサイドのロジックを開発します。データベースとの連携やAPIの作成など、基本的なバックエンド開発スキルを身に付けることができます。
データベース管理の基礎
SQLを使用してデータベースの設計、構築、管理を行います。データの読み書き、更新、管理など、データに関する基本的な操作を学びます。
テスター
プログラミングが完了すると、クライアントに納品したり、サービスとしてリリースしたりする前に必ずテストを行います。
単体テストや統合テストなど、ソフトウェアの品質を保証するためのテストを行います。また、バグの特定と修正を通じて、プログラミングのデバッグスキルを養います。このテスターとしての仕事も、プログラマーの大事な役割となります。
不具合を見つけたら提案書を作成し、プロダクトのブラッシュアップを促します。ここでバグが見抜けなければ、リリース後にクライアントやユーザーに多大な損失を与えることになりかねないので、非常に重要な役割といえるでしょう。
プログラマーになるために必要なスキル
続いて、未経験からプログラマーになるための必要スキルを紹介しましょう。
プログラミングの知識
プログラミングの基礎的な知識は必須となります。といってもプログラミング言語には、非常に多くの種類が存在します。
例えば、Webサイトとゲームソフトでは使用する言語がまったく異なります。AIやブロックチェーンなどとスマホアプリでも、やはり活用する言語やその仕様(コンパイラ型やインタプリタ型など)は違ってくるでしょう。
どの言語を選択するかで、勉強方法や将来にできる仕事も変わってくるため、よく考慮、リサーチして準備にとりかかる必要があります。
ちなみに、最近では経験が少なくてもChatGPTなどの生成AIを活用して、より良いコードを書いたりチェックできたりします。今後このユースケースは強くなると予想されます。まずはコーディングの基本を押さえて、さまざまな支援ツールを使いながら、より洗練されたコーディングを学んでいきましょう。
コミュニケーション能力
プログラマーには、コミュニケーション能力も必要です。だれとも関わることなく、ただ機械的にコードを書き上げていけばよいというわけではないからです。
プロダクトマネージャーやシステムエンジニア、時にはクライアントが望むことをしっかりと汲み取り、相手の言い分や考え方に問題があれば、それを正すために論理的に説明する必要があるでしょう。また、その意見を聞いてもらえるだけの人間関係を構築することも強く求められます。
IT業界に関する知識
IT業界や、ITが世の中や他の産業に与える影響、役割、さらに今後何が求められるのかといったことについての知見をある程度持ち合わせておくことも大事です。
プログラマーは、ときに「やめておけ」と言われるほど、仕事内容や拘束時間などがハードなケースもあります。とくに規模が小さいと経営者がワンマンで長続きしないという例もないとはいえません。
プログラマーになってから後悔しても遅いので、そのあたりのIT業界あるあるについてもしっかりと認識しておく必要があるでしょう。
未経験からプログラマーになるまでの4ステップ
未経験からプログラマーになるまでの具体的なステップについて解説します。
どんなプログラマーになるかを決める
まずどのようなプログラマーになりたいのか、具体的にイメージして絞っておくことが大切です。プログラマーと一言で言っても、その分野は非常に多岐にわたります。
など、様々な専門分野があります。
これらの分野はそれぞれ異なる技術スタックを要求し、仕事の内容や求められるスキルセット、さらには年収の範囲にも差があります。
自分が何に興味があるのか、どの分野で働きたいのかを明確にすることが、効率的に目標に向かって進むための第一歩です。
学ぶプログラミング言語を決める
方向性が決まったら学ぶプログラミング言語を決めましょう。同じプロダクトでも、別の言語で開発することが可能な場合は多いですし、トレンドもあるうえ、募集案件によって必要な言語が異なる例が少なくありません。
さまざまな言語の特徴や用途、将来性、習得にかかる時間についてしっかりとリサーチしましょう。
言語の学習方法を決めて学習する
学ぶ言語が決まったら1日でも早く、学習をスタートしてください。
例えば、ウェブ開発にはHTML、CSS、JavaScriptが基本となります。AIに興味があれば、Pythonとデータサイエンスの基礎が欠かせません。このステップでは、オンラインコース、チュートリアル、書籍などを利用して、自己学習を進めていきます。
ただ学ぶだけでなく、ポートフォリオを作ることを念頭においておきましょう。何をどの程度こなせるのか、面接の際にスキルや知識を客観的に証明することが目的です。
実践的なプロジェクトに取り組む
基礎知識を身につけたら、小規模のプロジェクトから手をつけてみましょう。自分の学んだことを実際のコードに落とし込み、アプリケーションを作成することで、理論だけでは得られない経験や知識を身につけることができます。
課題が見えてくる上、採用担当者とのやり取りでも話が深まりやすく有利になると考えられるからです。
GitHubなどのプラットフォームを利用して、自分の作品をポートフォリオとして公開することも大切です。ミートアップやオンラインフォーラム、ハッカソンなどに参加して、他の開発者とのネットワーキングを行うことも、成長につながります。
転職エージェントに登録する
ポートフォリオが完成したら、いよいよ実際にプログラマーになるために動きをつけていきます。その際は、転職エージェントの活用がおすすめです。多くの企業が、転職エージェントを使ってプログラマーを募集しているからです。
案件が豊富で、質も高いものが多いため、効率的かつ有利に転職活動ができます。転職についての相談や面接のコツ、転職後の注意点などについてアドバイスしてもらえることもあるので、非常に心強いでしょう。
実際の開発現場での経験を積むために、インターンシップやエントリーレベルのポジションを積極的に探しましょう。未経験者向けのプログラムや、新卒採用を行っている企業も多くあります。
もし既に多職種で就業されている方は、社内規定などで問題なければ副業で未経験OKのプログラマー案件を請け負うのもよいでしょう。
未経験のプログラマーが注意すること
最後に未経験からプログラマーを目指す上で注意するべきことを3つ紹介しましょう。
想像以上に仕事がハードなケースがある
プログラマーの仕事は、肉体的にも精神的にも非常にハードなことが多いです。納期が決まっていたり、クライアントが望むクオリティに達しなければ、何度でも作り直したりする必要があるからです。
残業や休日出勤を求められるケースもあるので、その程度がどれくらいかを事前に調べたり、面接の際に詳しく尋ねたり、社員の口コミをチェックするなどしてできるだけ事前に把握するように努めましょう。
スキルアップの勉強が欠かせない
ITの世界は、日進月歩です。変化がスピーディーなため、プログラマーもここまでのスキルがあれば完璧、という線引きはできません。
ステップアップするには、常に新たな知識を身につける必要があるでしょう。そのための勉強を続けていく覚悟をもって臨むようにしてください。
スタートの給料が低い可能性がある
ITエンジニアの代表格であるプログラマーは年収が高いというイメージが強いのではないでしょうか。もちろん使える言語の種類やスキルによっては、高い報酬が得られるケースも少なくありません。
しかし未経験の場合、企業側もその実力が未知の部分があるため、初めから高い給料を支払うのはリスクがともないます。そのため、一定の成果を上げるまではなかなか昇給せず、想像より低い収入でやりくりしなければならない可能性があるでしょう。
そのため、とくに既婚者で子供もいる方は、果たして未経験からの転職が本当に相応しいかについて、家族に相談したり、よく検討したりすることも大切でしょう。
メタバースエンジニアでよくある質問まとめ
- 未経験からでもプログラマーになれる?
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なれます!特に、Web開発、アプリ開発、システムインテグレーションなどの領域でプログラマーの不足が叫ばれており、企業は未経験者でも育成を前提とした採用を積極的に行い、未経験者を対象にした独自の育成プログラムやインターンシップを提供しています。
- 未経験のプログラマーが担当する仕事は?
-
- ウェブサイトのフロントエンド開発
- シンプルなバックエンド開発
- データベース管理の基礎
- テスター
まとめ
未経験であってもプログラマーになることは十分に可能です。ただし、新卒、第二新卒、20代以降の転職と、その年代や立場によって、可能性や難易度、企業から求められる条件などは違ってきます。
したがって、自分の立場に応じた準備を確実に行なったうえで、面接に臨むことが大切でしょう。とくにプログラム言語とIT業界に関する知識は必須です。プログラマーになると決めたら、すぐにでもその対策に向けて具体的な行動を起こすようにしましょう。
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